亜麻色の髪の乙女の難易度は?ピアノ何年目で弾けるかを進度で解説

※本記事は一部PRを含みます

ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」の難易度は、全音ピアノピースでC(中級)、ピティナ・ピアノステップでは発展2〜展開1です。わずか39小節、演奏時間は2分ほど。楽譜を開くと見開き2ページで音も少なく、「これなら自分にも弾けそう」と感じた方も多いのではないでしょうか。

ところが実際に弾いてみると、フラットが6つも並ぶ調、ふわりと重なる和音、消え入りそうな弱音に戸惑い、CDで聴いた「あの音」にならない……という壁に当たりやすい曲でもあります。

  • 「亜麻色の髪の乙女は、ピアノを習って何年目くらいで弾ける曲なの?」
  • 「音が少ないのに、どうして中級なの?どこが難しいの?」
  • 「同じドビュッシーの『月の光』と比べると、どっちが先に弾ける?」

この記事は、ブルグミュラーやソナチネに取り組んでいる方、そして大人になってから「いつかドビュッシーを弾いてみたい」と思っている方に向けて書いています。出版社と検定の3つの物差しで難易度を確かめたうえで、年数ではなく「今の進度」で判断できるチェック表、39小節の難所マップ、挫折しない練習ステップ、楽譜の選び方まで、図解しながら順番にお答えします。

目次

亜麻色の髪の乙女の難易度は?全音C(中級)、PTNAステップは発展2〜展開1

亜麻色の髪の乙女の難易度を全音ピアノピース・ピティナステップ・教本の進度の3つの物差しで示した図

亜麻色の髪の乙女の難易度は「中級〜中級上」と考えるのが実態に近いです。全音ピアノピースではC(中級)、ピティナ・ピアノステップでは発展2〜展開1、大人向けの名曲集では「中上級」と、物差しによって半歩ずつ評価がずれています。このズレこそが、亜麻色の髪の乙女という曲の性格をよく表しています。

全音ピアノピースではNo.202「C(中級)」

全音楽譜出版社の全音ピアノピースでは、亜麻色の髪の乙女はNo.202として出版されており、難易度はA〜Fの6段階のうちC(中級)です。同じCには、ドビュッシーの「月の光」(No.196)、「2つのアラベスク」(No.197)、「夢想」(No.200)が並びます。つまり全音の物差しでは、亜麻色の髪の乙女は「ドビュッシー入門の定番曲」と同じグループに入ります。

ちなみに同じ前奏曲集から出ている「沈める寺」はE(上級)、前奏曲集とは別の曲集ですが「水の反映」はF(上級上)です。ドビュッシー作品全体で見ると、亜麻色の髪の乙女は入り口に近い1曲だとわかります。

ピティナ・ピアノステップでは「発展2〜展開1」

全日本ピアノ指導者協会(PTNA)のピアノ曲事典では、亜麻色の髪の乙女はピティナ・ピアノステップの発展2〜展開1の課題曲として登録されています。ステップは「導入→基礎→応用→発展→展開」と進むので、発展の後半から展開の入り口にあたる位置です。

ステップは「この段階の人が人前で弾いて仕上がる曲」という視点で並んでいるため、ピアノピースの「C」よりも少し上に感じられるかもしれません。音を並べるだけなら中級、聴かせる演奏に仕上げるとなると一段上──という二面性が、ここでも数字に表れています。

大人向け曲集では「中上級」、教本でいえばツェルニー30番の途中

ヤマハミュージックメディアの『ピアノの先生が選んだ 大人が弾きたいクラシック名曲集』(2021年)では、亜麻色の髪の乙女は中上級とされています。また、ドビュッシー作品の演奏解説を掲載しているサイトでは「ツェルニー30番の中盤程度から挑戦できる」という目安も示されています。

物差し 亜麻色の髪の乙女の評価 同じくらいの曲の例
全音ピアノピース(No.202) C(中級) 月の光、2つのアラベスク、夢想
ピティナ・ピアノステップ 発展2〜展開1 発展後半〜展開の入門曲
ヤマハ『大人が弾きたいクラシック名曲集』 中上級 月光 第1楽章、悲愴 第2楽章
教本の進度 ブルグミュラー修了〜ツェルニー30番の途中 ソナチネアルバムと並行する時期
長さ 39小節・約2分 ピアノピースの中でも短い部類

出典:全音ピアノピース公式サイト、ピティナ・ピアノ曲事典「亜麻色の髪の乙女」、ヤマハミュージックメディア商品ページ(2026年10月確認)

「人によって難易度の順番が逆転する」のはなぜ?

亜麻色の髪の乙女は、人によって「簡単」と「難しい」の評価が大きく割れる曲です。Q&Aサイトで「月の光・亜麻色の髪の乙女・小犬のワルツ・悲愴第2楽章」などを難易度順に並べてもらう質問を見ると、回答者によって小犬のワルツを一番やさしいとする人もいれば、一番難しいとする人もいて、順番がほぼ逆になっていました。

理由は、求められる力の種類が違うからです。小犬のワルツは指を速く回す力が中心、亜麻色の髪の乙女は「音量・音色・ペダル」をそろえる力が中心。指がよく回るタイプの人は亜麻色を「意外と難しい」と感じ、ゆっくりの曲で歌うのが得意な人は「いちばん取り組みやすい」と感じます。ランクの数字だけでなく、自分がどちらのタイプかを考えると、挑戦する曲を選びやすくなるはずです。

ソラ
出版社や検定によって、中級だったり中上級だったりするんだね。結局どれを信じればいいの?
カイ
「音を最後まで弾ける」が中級、「ドビュッシーらしい響きで聴かせられる」が中上級、と考えると全部しっくりくるよ。

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亜麻色の髪の乙女はピアノ何年目から?年数より「進度」で判断しよう

チェック表で当てはまった数に応じて原曲・部分練習・やさしい編曲版の3つのルートを示した図

「亜麻色の髪の乙女はピアノ何年目で弾けるのか」という問いには、年数ではなく進度で答えるのが確実です。同じ3年目でも、毎日30分練習してきた人と週1回だけ触ってきた人とでは、到達点がまったく違うからです。目安としては、ブルグミュラー25の練習曲を一通り終え、ソナチネアルバムやツェルニー30番に取り組んでいる頃が挑戦のタイミングです。

目安は「ブルグミュラー後半〜ソナチネ・ツェルニー30番」のレベル

亜麻色の髪の乙女には速いパッセージがほとんどありません。そのかわり、和音を均一な音量でそろえる力と、ペダルを細かく踏みかえる力が求められます。ソナチネで「メロディーと伴奏の音量差をつける」練習をしてきた人なら、譜読みはスムーズに進むでしょう。

子どもの場合は、習い始めて数年たった小学校高学年〜中学生前後で、発表会の曲として選ばれることがあるレベルです。大人の再開組なら、子どもの頃にソナチネまで進んでいた方にとって、再開後最初の目標曲にもぴったりです。

挑戦前の進度チェック表

下の表で、当てはまる項目がいくつあるか数えてみてください。

チェック項目 亜麻色の髪の乙女のどこで必要?
シャープ・フラットが5つ以上ある調の譜読みをしたことがある 変ト長調(フラット6つ)の譜読み全体
3〜4音の和音を、指をそろえて同時に鳴らせる 14〜16小節、24〜27小節の和音が連なる部分
ペダルを音が濁らないように踏みかえられる 曲全体(ほぼ常にペダルを使う)
pp(ピアニッシモ)でも音が抜けずに鳴らせる 冒頭と最後の静かな部分
右手のメロディーと左手の伴奏で音量差をつけられる 冒頭の旋律が戻ってくる28小節以降
テンポを少し揺らしても拍を見失わない フレーズの終わりの、ため息のような間

チェックの数で選ぶ3つのルート

  • 4つ以上:原曲の楽譜でそのまま挑戦して大丈夫です。1〜2か月で通せることを目標にしましょう。
  • 2〜3つ:原曲に挑みつつ、後半で紹介する難所だけを先に部分練習します。2〜3か月かけるつもりで取り組むと焦りません。
  • 1つ以下:やさしく編曲した楽譜から入るのがおすすめです。旋律と響きを先に体に入れておくと、原曲に進んだときの譜読みがぐっと楽になります。
ソラ
フラット6つって聞くだけで逃げたくなる……。
カイ
実は変ト長調は黒鍵が中心だから、手の形は意外と自然なんだ。楽譜の見た目ほど指は苦しくないよ。

亜麻色の髪の乙女とはどんな曲?まずは2分間、聴いてみよう

亜麻色の髪の乙女(La fille aux cheveux de lin)は、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが書いた前奏曲集第1巻の第8曲です。弾く前に、まずは一度通して聴いてみてください。下はフランスのピアニスト、アラン・プラネスによる録音です。

前奏曲集第1巻・第8曲、変ト長調・39小節の小品

ドビュッシーの前奏曲集は全2巻・各12曲で、第1巻には「沈める寺」や「パックの踊り」なども収められています。どの曲もタイトルは冒頭ではなく曲の最後に、括弧と点線つきで小さく書かれているのが特徴です。「先に音を聴いて、あとから題名に気づいてほしい」というドビュッシーの意図が感じられる仕掛けです。

亜麻色の髪の乙女は変ト長調・39小節で、冒頭には「とても静かに、やわらかく表情豊かに」という意味のフランス語の指示があります。ピティナのピアノ曲事典によれば総演奏時間は約2分10秒。前奏曲集の中でもとくに短く、穏やかな1曲です。

もとになったのはルコント・ド・リールの詩

タイトルは、フランスの詩人ルコント・ド・リールの詩に由来します。詩集『古代詩集』に収められた「スコットランドの歌」のひとつで、クローバーの咲く野原で、亜麻色の髪の少女が恋人を思って歌う──という素朴な情景が描かれています。

実はドビュッシーは、若い頃(1882年頃とされます)にも同じ詩で歌曲を書いていました。この歌曲は出版されませんでしたが、それから約30年後にピアノの小品として同じ題材に戻ってきたことになります。「スコットランドの歌」という出どころを知っておくと、この曲の民謡のような旋律にも納得がいくのではないでしょうか。

ペンタトニック(五音音階)が生む懐かしさ

亜麻色の髪の乙女の旋律は、ペンタトニック(ドレミソラのように5つの音だけでできた音階)を軸にしています。ペンタトニックはスコットランド民謡や日本のわらべうたにも共通する音階なので、初めて聴いても「どこかで聴いたことがある」ような懐かしさを感じやすいのです。

「亜麻色」ってどんな色?

「亜麻色」は、黄色みを帯びた薄い茶色のこと。亜麻(あま)は古くからヨーロッパで繊維や食用に栽培されてきた植物で、リネンの原料、そして健康食品として知られる「アマニ油」も亜麻の種からとれます。亜麻色の髪とは、まぶしい金髪というより、やわらかな栗色に近いイメージです。曲の柔らかい響きも、この淡い色合いを思い浮かべながら弾くと出しやすくなります。

ソラ
タイトルが最後に書いてあるなんて知らなかった!
カイ
ドビュッシーは「音から想像してほしい」と考えていたんだろうね。弾く前に一度、題名を忘れて聴いてみるのもおすすめだよ。

同じタイトルの歌謡曲「亜麻色の髪の乙女」とは別の曲

「亜麻色の髪の乙女」と検索すると、ドビュッシーのピアノ曲とは別に、日本の歌謡曲が出てくることがあります。楽譜を探すときに取り違えやすいので、ここで違いを整理しておきましょう。

ヴィレッジ・シンガーズの名曲と、島谷ひとみさんのカバー

歌謡曲の「亜麻色の髪の乙女」は、グループ・サウンズのヴィレッジ・シンガーズが1968年に発表したシングルです。作詞は橋本淳、作曲はすぎやまこういち。2002年には島谷ひとみさんがカバーし、オリコン最高4位のヒットになりました。タイトルは同じでも、ドビュッシーのピアノ曲とは作曲者も時代もまったく別の作品です。

ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」 歌謡曲「亜麻色の髪の乙女」
作曲 クロード・ドビュッシー すぎやまこういち(作詞:橋本淳)
発表 1910年(前奏曲集第1巻) 1968年(ヴィレッジ・シンガーズ)、2002年カバー(島谷ひとみ)
ジャンル クラシックのピアノ独奏曲 グループ・サウンズ/J-POP
楽譜の探し方 「ドビュッシー」「前奏曲」で検索 「ヴィレッジ・シンガーズ」「島谷ひとみ」で検索

楽譜を買う前に「作曲者名」を確認しよう

楽譜販売サイトでは、両方の曲が「亜麻色の髪の乙女」という同じ名前で並ぶことがあります。ドビュッシーを弾きたいのに歌謡曲のピアノアレンジを買ってしまった……という失敗を防ぐため、作曲者名の欄が「ドビュッシー」になっているかを必ず確認しましょう。この記事で扱う難易度は、すべてドビュッシーのピアノ曲についてのものです。

亜麻色の髪の乙女の難しいポイント|39小節の難所マップ

亜麻色の髪の乙女の39小節を3部に分け、伴奏なしの旋律・ペダル・平行和音などの難所を小節番号で示したマップ

亜麻色の髪の乙女の難しさは、速さではなく「少ない音で響きを作ること」に集中しています。39小節の中で、とくにつまずきやすい場所は上の図の7か所。曲の組み立てを先に頭に入れてから難所に取り組むと、練習の効率がぐっと上がります。

まずは3部構成をつかむ

ピティナのピアノ曲事典の解説では、亜麻色の髪の乙女は冒頭4小節のメロディー(主要モチーフ)を目印に、3つの部分でできていると説明されています。かみくだくと、次のような流れです。

  1. 第1部(1〜7小節):主要モチーフが登場し、いったん変ホ長調に寄り道して区切りがつく
  2. 第2部(8〜27小節):モチーフが引き延ばされ、付点リズムの新しい動機(14〜16小節)が現れる。そのあと下がる→上がって山場(19〜21小節)→落ち着く→和音が静かに揺れる(24〜27小節)と展開する
  3. 第3部(28〜39小節):冒頭のメロディーが戻り、ささやくような動機とともにゆっくり消えていく

「どこが山場で、どこから帰り道か」がわかるだけで、音量の設計がしやすくなります。楽譜の19〜21小節の上に「山」、28小節に「帰ってきた」と書き込んでおくのがおすすめです。

難所1:冒頭の「伴奏なしの旋律」と変ト長調の譜読み

亜麻色の髪の乙女は、伴奏のない右手の旋律だけで始まります。音が少ないぶん、1音目のタッチ、音と音のつながり、フレーズの終わりの力の抜き方が、すべて丸聞こえになります。最初の2小節は、曲全体の印象を決める「名刺」だと思って丁寧に作りましょう。

もうひとつの壁が、フラット6つの変ト長調の譜読みです。慣れないうちは臨時記号の見落としが起きやすいので、譜読みの最初の数日は、フラットのつく音に鉛筆で小さく印をつけておくと安心です。前述のとおり、黒鍵中心の調なので、指の形そのものは自然に収まります。

難所2:13小節前後の「バスを残したままのペダル」

この曲はほぼ全体でペダルを使いますが、ドビュッシーの響きは濁りと美しさの境目にあります。とくに13小節目の頭は、左手の低音(バス)がタイでつながっているのに、上の和音が変わるためペダルは踏みかえたい──という悩ましい場所です。

対処法の一例は、直前で「左手の小指以外の音」だけを先に離し、バスを指で残したままペダルを踏みかえること。完全に音をつなげるのが難しくても、裏拍での切り替えなので耳立ちにくくなります。ペダルは「踏む・離す」の2択ではなく、半分だけ上げるハーフペダルも使い分けられると表現の幅が広がります。

難所3:14〜16小節の平行和音と、左手の跳躍

14小節目からは、右手の内声と左手を合わせた和音が同じ形のまま平行に移動します。ここでは、メロディーの音は指の重さを深めにかけて太めに、内声はやわらかく静かに、と弾き分けるのがポイントです。和音を「そろえて」鳴らしつつ、中のメロディーだけを浮かせる──亜麻色の髪の乙女が「中級上」といわれる理由がこの場所に詰まっています。

非和声音が絡むため、ペダルに頼るとすぐに濁ります。まずはペダルなしでレガートがつながる指使いを探しましょう。替え指を使う、もう一方の手でとる、別の版の指使いを参考にする、といった工夫が有効です。さらに16小節目の左手には、前打音つきの大きな跳躍があります。前打音を遅らせすぎず、跳ぶ先の音を事前に目で確認しておくとミスが減ります。

難所4:24〜27小節の静かな和音と、消えていく最後の7小節

24〜27小節は、平行和音が静かに揺れながら、解決しないまま次の部分へつながっていく場所です。音量はp(ピアノ)以下で、それでも和音の全部の音を鳴らしきる必要があります。弱音を出そうとして鍵盤をそっと触るだけだと、音が抜けて鳴らなくなってしまいます。

コツは、指先の力を抜いたまま、鍵盤の底まで「ゆっくり」沈めること。打鍵のスピードを落とすと、小さくても芯のある音になります。最後の33〜39小節も同じ考え方で、音が消えていくのを最後まで耳で追いかけるつもりで弾きましょう。

ソラ
音が小さいところって、そーっと触るだけじゃダメなんだ……。
カイ
音の大きさを決めるのは「深さ」より「スピード」なんだ。ゆっくり底まで沈めると、小さくても芯のある音になるよ。

「月の光」とどっちが難しい?ドビュッシー入門曲の難易度比較

亜麻色の髪の乙女・夢想・2つのアラベスク第1番・月の光の4曲を曲の長さと指のテクニックの負担で配置したマトリックス図

ドビュッシーを初めて弾くなら、亜麻色の髪の乙女は「月の光」より先に取り組みやすい曲です。全音ピアノピースではどちらもC(中級)ですが、曲の長さと、指を大きく広げて動かす場面の多さに差があります。

ドビュッシー入門4曲の比較表

曲名 全音ピアノピース 長さの目安 主な難しさ
亜麻色の髪の乙女 C(No.202) 39小節・約2分 弱音・和音のバランス・ペダル
夢想 C(No.200) 亜麻色より長め 旋律と伴奏の弾き分け
2つのアラベスク C(No.197) 第1番だけで4分前後 3連符と8分音符の組み合わせ、流れるアルペジオ
月の光 C(No.196) 5分前後 中間部の広いアルペジオ、音色の変化

短くても「ごまかしがきかない」のが亜麻色の髪の乙女

亜麻色の髪の乙女は短いぶん、通し練習の回数を稼ぎやすく、完成までの道のりが見えやすい曲です。その反面、音が少ないので一音の音色の粗さがそのまま聴こえてしまう怖さがあります。一方の月の光は、中間部のアルペジオで指を大きく動かす必要があり、テクニックの負担はより大きくなります。

どちらから始めるか迷ったら、亜麻色の髪の乙女で「ドビュッシーの響き」を体に入れてから月の光へ、という順番をおすすめします。月の光の難しさや練習法は、ドビュッシー「月の光」の難易度と弾き方のコツで詳しく解説しています。

ソラ
同じCでも、こんなに中身が違うんだね。
カイ
ランクは「だいたいの位置」を教えてくれる地図。どこが難しいかまで見て選ぶと失敗しにくいよ。

大人・初心者が亜麻色の髪の乙女を弾くなら|挫折しない練習ステップ5

亜麻色の髪の乙女を挫折せずに仕上げるための練習ステップ5を矢印でつないだ図

大人やブランクのある方が亜麻色の髪の乙女を弾くなら、「最初から最後まで通す」より「響きを作る」練習を先にするのが近道です。次の5ステップで進めると、2分ほどの曲を無理なく仕上げられます。

ステップ1:まず3回、楽譜を見ながら聴く

弾く前に、楽譜を目で追いながら演奏を聴きます。旋律がどこにあるか、どこで盛り上がるか(19〜21小節)、どこで静まるかを、楽譜に鉛筆で書き込んでおきましょう。メロディーを口ずさめる状態になってから弾き始めると、譜読みのスピードが目に見えて変わります。

ステップ2:冒頭4小節だけを毎日弾く

亜麻色の髪の乙女の冒頭4小節は、曲の中で何度も形を変えて戻ってくる「主役」のメロディーです。最初の1週間は冒頭4小節だけを毎日弾き、音色とフレーズの終わり方を丁寧に作ります。ここが決まると、28小節以降の再現部分も一気に仕上がります。

ステップ3:和音は「上の音だけ」→「全部」の順に

14〜16小節や24〜27小節の和音は、いきなり全部の音で弾かず、まずメロディーにあたる一番上の音だけを弾いて歌い方を決めます。次に和音すべてを弾き、メロディーの音だけが少し浮いて聴こえるようにバランスを整えます。

ステップ4:ペダルは最後に足す

最初からペダルを踏むと、指のレガートが甘くても響きでごまかせてしまいます。まずはペダルなしで、指だけでできるだけ音をつなげる練習をしましょう。指でつながるようになってからペダルを足すと、濁りの少ない、透明感のある響きになります。

ステップ5:録音して「弱音」を聴き直す

スマートフォンで自分の演奏を録音し、とくに冒頭と最後の静かな部分を聴き直します。弾いているときは鳴っているつもりでも、録音では音が抜けていることがよくあります。録音は、弱音のコントロールを確かめる一番手軽な先生です。

大人になってから独学でピアノを始めた方は、大人のピアノ独学は何から始める?60日で1曲弾ける練習の順番もあわせて参考にしてください。

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亜麻色の髪の乙女の楽譜の選び方|原曲・やさしいアレンジ・無料楽譜

亜麻色の髪の乙女の楽譜は、原曲のピース・前奏曲集・やさしいアレンジ版の3タイプから、今の進度に合わせて選ぶのが失敗しないコツです。

原曲を弾くなら:全音ピアノピースか前奏曲集第1巻

1曲だけ手軽に始めたいなら、全音ピアノピース(No.202)がいちばん入手しやすい選択肢です。ほかの前奏曲にも興味があるなら、前奏曲集第1巻をまるごと収めた曲集を選ぶと、次の目標曲も見つけやすくなります。大人向けの名曲集に、原曲のまま収録されていることもあります。

なお、ドビュッシーの作品は著作権の保護期間が終わったパブリック・ドメインのため、原曲の楽譜はインターネット上の楽譜ライブラリーで無料公開されているものもあります。ただし、指使いやペダルの書き込みが少ない版も多いので、初めて取り組むなら解説つきの国内版のほうが安心です。

チェックが少なかった人は「やさしいアレンジ版」から

進度チェックで当てはまる項目が少なかった方は、和音を減らして指番号をつけたやさしいアレンジ版から入りましょう。ヤマハの「ぷりんと楽譜」などの楽譜ダウンロードサービスや無料楽譜サイトでは、初級〜中級までレベル別のアレンジが見つかります。前の章で紹介したとおり、歌謡曲の同名曲と取り違えないよう、作曲者がドビュッシーかどうかは必ず確認してください。

原曲に入る前に、もっとやさしい曲で弾ききる経験を積みたい方は、ピアノ簡単な曲28選も参考にしてみてください。

亜麻色の髪の乙女の難易度に関するよくある質問

Q. 手が小さくても弾けますか?

弾けます。亜麻色の髪の乙女には、オクターブを超えて大きく手を広げる場面はほとんどありません。和音の幅が届きにくい箇所は、音を分けてアルペジオ気味に弾いたり、もう一方の手で取ったりして対応できます。

Q. 大人の初心者がいきなり挑戦しても大丈夫?

ピアノを始めて数か月の段階で原曲に挑むと、譜読みと音色づくりの両方でつまずきやすく、挫折の原因になりがちです。まずはやさしいアレンジ版で旋律に親しみ、進度チェックで4つ以上当てはまるようになってから原曲に進むのがおすすめです。

Q. 発表会の曲としてはどうですか?

約2分と短く、聴いている人にもなじみのある旋律なので、発表会向きの曲です。ただし「簡単そうに聴こえる曲ほど、粗が目立つ」タイプでもあります。本番の会場はピアノもホールの響きも自宅と違うので、ペダルの深さは当日のリハーサルで微調整しましょう。

Q. 完成までどれくらいかかりますか?

進度チェックで4つ以上当てはまる方なら、毎日30分前後の練習で1〜2か月がひとつの目安です。音を並べるだけなら数週間でも可能ですが、弱音とペダルを整えて「聴かせる」状態にするには、もう少し時間をかけるつもりで取り組みましょう。

まとめ|亜麻色の髪の乙女の難易度は「中級、仕上げは中級上」

この記事では、亜麻色の髪の乙女の難易度と、ピアノ何年目くらいで弾けるのかの目安を解説しました。

  • 難易度:全音ピアノピースではC(中級)、PTNAステップでは発展2〜展開1、大人向け名曲集では中上級。音を弾くのは中級、響きまで仕上げると中級上
  • 何年目で弾ける?:年数よりも進度で判断。ブルグミュラー25を終え、ソナチネ〜ツェルニー30番に取り組んでいる頃が目安。チェック表で4つ以上当てはまれば原曲に挑戦OK
  • 月の光とどっちが先?:亜麻色の髪の乙女のほうが短く、テクニックの負担も軽いので先に取り組みやすい。ただし音色はごまかしがきかない

亜麻色の髪の乙女は、わずか39小節の中に「ドビュッシーらしい響き」が凝縮された曲です。難所マップと練習ステップを参考に、まずは冒頭4小節から始めてみませんか。亜麻色の髪の乙女の難易度を知ったうえで一歩ずつ進めば、きっとあのやわらかな響きに近づけるはずです。

\亜麻色の髪の乙女のような弾きたい曲を1曲ずつ完成させる/

▶憧れの1曲を仕上げるならマナビーノ

次の1曲を探すなら、ドビュッシー「月の光」の難易度と弾き方のコツもあわせてどうぞ。