ブルグミュラー25の練習曲を難易度順に知りたい、と検索したあなたは、もしかすると「次の曲で止まってしまった」経験があるのではないでしょうか。1番「すなおな心」と2番「アラベスク」は弾けたのに、番号順に進めたら急に指が回らなくなった。そんなときに知っておきたいのが、ブルグミュラーの番号順は「やさしい順」とは限らないという事実です。
とはいえ、ネットで「ブルグミュラー 難易度」と調べると、講師のブログや解説サイトごとに順番がバラバラで、かえって迷ってしまいます。そこでlas-piano編集部では、公開されている7つの難易度評価を0〜100のスコアにそろえて集計し、25曲を1位から25位まで並べ直しました。
- ブルグミュラー25の練習曲に、公式の難易度順はあるの?
- 全25曲のうち、やさしい曲・難しい曲・人によって評価が割れる曲はどれ?
- 番号順以外に、どんな順番で弾けば挫折しにくい?
この記事は、バイエルや導入教本を終えてブルグミュラーに入った方、大人になってから独学でブルグミュラーを進めている方に向けて書いています。全25曲のランキング表と図解を見ながら、自分に合う「弾く順番」を決める材料として使ってください。
ブルグミュラー25の練習曲に「公式の難易度順」はない

結論から言うと、ブルグミュラー25の練習曲には、出版社や団体が定めた「公式の難易度順」はありません。曲順は作品番号(Op.100-1〜25)の並びで、だいたい後半ほど難しくなるものの、途中で難易度は上下します。上の図は、横軸に曲番号、縦軸に編集部が集計した難易度の順位をとったものです。点線から外れている曲ほど「番号と難易度がズレている曲」ということになります。
曲順は作品番号順で、厳密な「やさしい順」ではない
ブルグミュラー25の練習曲は、原題を「25 Études faciles et progressives(やさしく段階的な25の練習曲)」といいます。ピティナ・ピアノ曲事典によると、1851年にパリで出版され、翌1852年にはドイツのショット社からも出版されました。作曲者のヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルグミュラー(1806〜1874)はドイツ・レーゲンスブルク生まれで、26歳でパリに移り住んだ人物です。
「段階的な」とタイトルにある通り、大まかには後ろの曲ほど難しくなります。ただし番号と難易度は一直線には並んでいません。番号順に進めて「急に難しくなった」と感じるのは、あなたの実力不足ではなく、曲集の構成上よくあることなのです。
ピティナ・ピアノステップでは全25曲が同じレベル帯
日本で曲のレベル感を調べるとき、よく参照されるのがピティナ(全日本ピアノ指導者協会)のピアノステップです。ピティナ・ピアノ曲事典では、ブルグミュラー25の練習曲は全曲が「基礎4・基礎5・応用1・応用2」という同じステップ帯で表示されています。つまり、ピティナの区分では25曲の間に細かい難易度差は付けられていません。
同じ事典の曲集解説では、ブルグミュラー25の練習曲は「片手が1オクターブを超える音域を押さえる曲はない」「調号は最大4つまで」と紹介されています。手の小さな子どもや大人の初級者でも届く範囲で書かれている、というのがこの曲集の大きな特徴です。初版では各曲が2ページ以内に収められていたことも、同じ解説で触れられています。
番号と難易度が大きくズレる5曲
7つの評価を集計すると、番号の位置と難易度の順位が大きく離れている曲がいくつかあります。特にズレが目立つのは次の5曲です。
| 曲 | 番号 | 集計順位 | ズレの理由(各評価の解説より) |
|---|---|---|---|
| 16 あまいなげき | 16番 | 11位 | 音の数が少なく譜面はシンプル。ただし左手の歌わせ方で評価が分かれる |
| 19 アヴェ・マリア | 19番 | 14位 | テンポがゆっくりで手の動きは少ない。和音の譜読みとペダルが課題 |
| 12 別れ | 12番 | 17位 | 速い3連符を正確に、しかも表情豊かに弾く必要がある |
| 13 なぐさめ | 13番 | 19位 | 旋律を浮き立たせる声部のバランスとトリルが難しい |
| 7 清らかな流れ | 7番 | 10位 | 3連符の中で親指の旋律を浮かせる弾き分けとペダルが必要 |
たとえば12番「別れ」や13番「なぐさめ」で止まってしまった方は、先に16番「あまいなげき」を弾いてみると、意外なほどスムーズに仕上がるかもしれません。番号だけを見て「16番だから難しいはず」と身構える必要はないのです。
【一覧表】ブルグミュラー難易度順ランキング(7つの評価を集計)

ブルグミュラー25の練習曲を難易度順に並べると、最もやさしいのは1番「すなおな心」・3番「牧歌」・2番「アラベスク」、最も難しいのは25番「貴婦人の乗馬」と24番「つばめ」です。この両端は7つの評価すべてで一致しており、迷う必要はありません。悩ましいのは、その間にある20曲の並び方です。
集計の方法:7つの評価を0〜100にそろえて平均
難易度の付け方は、評価する人によって「★1〜5」「3段階」「4フェーズ」「1〜25の練習順」などバラバラです。そこで編集部では、ピアノ講師や経験者のブログ、独学者の練習記録、音楽解説サイトなど、ネット上で公開されている7つの難易度評価を集め、次の手順でスコア化しました。
- それぞれの評価で「最もやさしい段階=0」「最も難しい段階=100」になるよう換算する
- 25曲それぞれについて、7つのスコアを平均する(1つの評価で掲載のなかった19番は6つの平均)
- 平均スコアの低い順に1〜25位を付け、スコアの近い曲どうしで4つのレベルに分ける
なお、まったく同じ分類をしていた2つのサイトは、重複を避けるため1つとして数えています。スコアは「一般的にこう感じる人が多い」という目安であり、絶対的な難易度ではない点はご了承ください。
全25曲の難易度順一覧表
| 順位 | 番号・曲名 | スコア | レベル | 主な技術課題 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 すなおな心 | 0 | Lv1 入門 | 8分音符のレガート、左手の和音 |
| 2 | 3 牧歌 | 1 | Lv1 入門 | 右手の旋律を歌う、左手の弱音の和音連打 |
| 3 | 2 アラベスク | 1 | Lv1 入門 | 16分音符の粒をそろえる(3・4・5の指) |
| 4 | 5 無邪気 | 14 | Lv1 入門 | 16分音符の音階、指くぐり |
| 5 | 4 小さな集会 | 28 | Lv2 初級 | 3度・6度の重音のレガート |
| 6 | 6 進歩 | 32 | Lv2 初級 | スタッカートとレガートの弾き分け |
| 7 | 10 やさしい花 | 33 | Lv2 初級 | 2音スラーとやわらかいスタッカート |
| 8 | 8 優美 | 34 | Lv2 初級 | 装飾音(ターン)、左手の跳躍 |
| 9 | 9 狩り | 36 | Lv2 初級 | ホルン風の重音、両手の音量バランス |
| 10 | 7 清らかな流れ | 36 | Lv2 初級 | 速い3連符と旋律のバランス |
| 11 | 16 あまいなげき | 43 | Lv2 初級 | 弱音の伴奏の上で長い旋律を歌う |
| 12 | 11 せきれい | 46 | Lv3 中級 | 軽いスタッカート、和音の素早い移動 |
| 13 | 15 バラード | 57 | Lv3 中級 | 右手の和音連打、左手の速い16分音符 |
| 14 | 19 アヴェ・マリア | 63 | Lv3 中級 | レガートペダル、合唱のような声部バランス |
| 15 | 18 気がかり | 64 | Lv3 中級 | アジタートのリズム、軽い和音のスタッカート |
| 16 | 14 スティリエンヌ | 67 | Lv3 中級 | 3拍子の舞曲、右手の跳躍 |
| 17 | 12 別れ | 71 | Lv3 中級 | 速い3連符、同音の指替え |
| 18 | 17 おしゃべり | 72 | Lv3 中級 | 同音連打 |
| 19 | 13 なぐさめ | 74 | Lv3 中級 | 保続音を保ちながらの指の独立 |
| 20 | 20 タランテラ | 77 | Lv4 仕上げ | 速い6/8拍子、左右をそろえる |
| 21 | 22 舟歌 | 78 | Lv4 仕上げ | フラット4つの調、息の長い旋律 |
| 22 | 21 天使のハーモニー | 80 | Lv4 仕上げ | 両手のアルペジオの受け渡し |
| 23 | 23 帰り道 | 81 | Lv4 仕上げ | 速い和音連打、激しい転調 |
| 24 | 24 つばめ | 99 | Lv4 仕上げ | 手の交差を伴うアルペジオ、跳躍 |
| 25 | 25 貴婦人の乗馬 | 100 | Lv4 仕上げ | 3連符のリズム、コーダの音階 |
※スコアは7つの公開評価をもとにしたlas-piano編集部の集計値(2026年10月時点)です。曲名は出版社によって「子供の集会」「スティリアの女」「天使の声」「帰途」「再会」など表記が異なります。
4段階に分けるとこうなる

スコアの近い曲どうしをまとめると、ブルグミュラー25の練習曲は次の4つのレベルに分かれます。スコアの差が大きく開いているところ(14→28、43→46付近、74→77付近)を境目にしています。
- Lv1 入門(4曲):1 すなおな心 → 3 牧歌 → 2 アラベスク → 5 無邪気
- Lv2 初級(7曲):4 小さな集会 → 6 進歩 → 10 やさしい花 → 8 優美 → 9 狩り → 7 清らかな流れ → 16 あまいなげき
- Lv3 中級(8曲):11 せきれい → 15 バラード → 19 アヴェ・マリア → 18 気がかり → 14 スティリエンヌ → 12 別れ → 17 おしゃべり → 13 なぐさめ
- Lv4 仕上げ(6曲):20 タランテラ → 22 舟歌 → 21 天使のハーモニー → 23 帰り道 → 24 つばめ → 25 貴婦人の乗馬
Lv1の4曲が弾ければ「ブルグミュラーらしさ」に慣れた段階、Lv3まで来れば曲集の折り返し地点を越えた段階、と考えるとよいでしょう。
\弾きたい曲を1曲ずつ完成させる/
評価が割れる曲・割れない曲から「自分にとっての難易度」を見積もる

7つの評価を並べてみて分かったのは、ブルグミュラーの難易度は「全員の意見が一致する曲」と「人によって評価が大きく割れる曲」に分かれるということです。上のマトリックス図は、横軸に平均スコア、縦軸に評価のばらつき(7つのスコアの最大差)をとったもの。上にある曲ほど、弾く人の得意・苦手によって難しさが変わる曲だといえます。
全評価が一致:1・2・3番はやさしく、24・25番は難しい
1番「すなおな心」、2番「アラベスク」、3番「牧歌」は、7つの評価すべてで最もやさしいグループに入っていました。反対に24番「つばめ」と25番「貴婦人の乗馬」は、すべての評価で最も難しいグループです。
25番「貴婦人の乗馬」は、3連符・16分音符・スタッカート・クレッシェンドする音階など、それまでの24曲で学んだ要素がほぼすべて入った総まとめの曲です。24番「つばめ」は、左手が右手を飛び越える手の交差とペダルが加わります。この2曲を「ゴール」に据えるという点では、どの講師・学習者の意見もぶれていません。
評価が割れる:7番・16番・19番は「ペダル」と「左手」で難しさが変わる
一方で、評価が最も大きく割れたのが7番「清らかな流れ」、16番「あまいなげき」、19番「アヴェ・マリア」の3曲です。
- 7番「清らかな流れ」:最もやさしい段階に入れる評価がある一方、「譜面だけなら易しいが、ペダルを入れることを考えると難しい」として難易度を引き上げている講師もいます。
- 16番「あまいなげき」:最もやさしい段階とする評価がある一方、練習順の後半に回している評価もあります。後者は「左手が聴かせどころ」になる点を理由に挙げています。
- 19番「アヴェ・マリア」:独学者の記録では「和音の譜読みは大変だが、ペダルを使えば手の動きはシンプルで仕上げやすい」と評価されています。
つまり、この3曲はペダルに慣れているか、左手で旋律を歌えるかで、体感の難易度がまるで変わる曲なのです。一覧表の順位はあくまで平均なので、自分の苦手に当てはまる場合は、もう1段階難しい曲として扱っておくと計画が狂いにくくなります。
苦手別「要注意の曲」早見表
評価が割れる理由をたどると、ブルグミュラーの難しさは主に5つの技術に集約されます。自分の苦手に当てはまる行をチェックしてみてください。
| 苦手な技術 | 難しく感じやすい曲 | おすすめの対策 |
|---|---|---|
| ペダル | 7、19、21、24 | 最初はペダルなしで、手だけで音をつなげてから足す |
| 左手の動き・旋律 | 15、16、17 | 左手だけの片手練習を多めに取る |
| 3連符 | 7、12、21、25 | メトロノームで3連符と8分音符の違いを確かめる |
| 黒鍵の多い調 | 22(変イ長調)、23(変ホ長調) | 曲に入る前にその調の音階を弾いておく |
| 速いテンポ | 2、11、20 | 「ゆっくり×正確」を完成させてから少しずつテンポを上げる |
【一次情報を追加:執筆者自身が「人によって難しさが違う」と感じた曲(例:ペダルや左手で苦労した曲)について1〜3文】
レベル別に見るブルグミュラーの特徴とつまずきポイント
ブルグミュラー25の練習曲の難易度は、レベルごとに「何が難しいのか」が違います。ここではLv1〜Lv4の特徴と、練習で意識したいポイントをまとめます。自分がどのレベルで止まっているかを確認しながら読んでみてください。
Lv1 入門:1・3・2・5番で「ブルグミュラーらしさ」に慣れる
Lv1は、1番「すなおな心」、3番「牧歌」、2番「アラベスク」、5番「無邪気」の4曲です。いずれもハ長調・ト長調・イ短調・ヘ長調と調号が少なく、手の位置の移動も比較的少ない曲です。
1番「すなおな心」は、長いスラーのなかで音の隙間を作らずにつなぐレガートの練習曲です。3番「牧歌」は8分の6拍子に慣れることが課題で、左手の和音を右手の旋律より小さく弾く意識が必要になります。2番「アラベスク」は、16分音符の粒をそろえるのがポイント。速く弾きたくなりますが、最初はテンポを落として音の転びを直し、少しずつ速くするのが近道です。5番「無邪気」は、16分音符の下行パッセージでリズムが前のめりになりやすいので、拍の頭を意識して弾きましょう。
▼Lv1の曲を演奏動画で聴いてみよう
1番「すなおな心」
3番「牧歌」
2番「アラベスク」
5番「無邪気」
Lv2 初級:重音・スタッカート・装飾音が加わる
Lv2は、4番「小さな集会」、6番「進歩」、10番「やさしい花」、8番「優美」、9番「狩り」、7番「清らかな流れ」、16番「あまいなげき」の7曲です。Lv1と比べて、2つの音を同時に弾く重音、軽いスタッカート、ターンなどの装飾音が本格的に登場します。
4番「小さな集会」は3度の重音を滑らかにつなぐのが難しく、初心者が最初につまずきやすい曲のひとつです。6番「進歩」はスタッカートとレガートの弾き分け、10番「やさしい花」は2音スラーのあとのやわらかいスタッカートが課題です。9番「狩り」は、長調と短調が切り替わる場面ごとの雰囲気の変化を表現できると、ぐっと音楽らしくなります。7番と16番は、前の章で紹介した「評価が割れる曲」なので、ペダルや左手が苦手な方はLv3として扱ってもかまいません。
▼Lv2の曲を演奏動画で聴いてみよう
4番「小さな集会」
6番「進歩」
10番「やさしい花」
8番「優美」
9番「狩り」
7番「清らかな流れ」
16番「あまいなげき」
Lv3 中級:速さ・軽さ・表現の切り替えが求められる
Lv3は、11番「せきれい」、15番「バラード」、19番「アヴェ・マリア」、18番「気がかり」、14番「スティリエンヌ」、12番「別れ」、17番「おしゃべり」、13番「なぐさめ」の8曲です。速いテンポのなかで軽く弾くこと、場面ごとに表現を切り替えることが求められる曲が中心になります。
15番「バラード」は発表会でも人気の高い曲ですが、右手の和音連打と左手の16分音符を同時に安定させる必要があります。冒頭の緊張感、穏やかな中間部、激しさの戻る再現部と、表情を描き分ける力も問われます。17番「おしゃべり」は同音連打、12番「別れ」は速い3連符、13番「なぐさめ」は旋律の声部を浮き立たせるバランスが難所です。14番「スティリエンヌ」は、1拍目を強く、2・3拍目を軽くする3拍子の舞曲らしいリズム感をつかめるかどうかがポイントになります。
▼Lv3の曲を演奏動画で聴いてみよう
11番「せきれい」
15番「バラード」
19番「アヴェ・マリア」
18番「気がかり」
14番「スティリエンヌ」
12番「別れ」
17番「おしゃべり」
13番「なぐさめ」
Lv4 仕上げ:20・22・21・23・24・25番で総まとめ
最後のLv4は、20番「タランテラ」、22番「舟歌」、21番「天使のハーモニー」、23番「帰り道」、24番「つばめ」、25番「貴婦人の乗馬」の6曲です。
20番「タランテラ」は速い6/8拍子のなかで左右をそろえる力が必要です。22番「舟歌」はフラット4つの変イ長調で、黒鍵の多さに慣れるまで譜読みに時間がかかります。21番「天使のハーモニー」は両手のアルペジオを受け渡しながらペダルで響きをつなぐ曲、23番「帰り道」は速い和音連打と激しい転調に対応する力が求められます。そして24番「つばめ」と25番「貴婦人の乗馬」は、前の章で見たとおり全評価が一致する最難関の2曲。25曲を締めくくる目標として、最後に取っておくのがおすすめです。
【一次情報を追加:レベルの中で執筆者が特に苦労した曲・好きだった曲と、その理由について1〜3文】
▼Lv4の曲を演奏動画で聴いてみよう
20番「タランテラ」
22番「舟歌」
21番「天使のハーモニー」
23番「帰り道」
24番「つばめ」
25番「貴婦人の乗馬」
ブルグミュラーのおすすめの弾く順番3パターン

ブルグミュラー25の練習曲の順番は、目的によって選び方が変わります。ここでは「番号順」「難易度順」「テクニック別」の3パターンを紹介します。どれが正解というより、自分の状況に合うものを1つ選ぶのが大切です。
パターン1:番号順(先生に習っている人・時間に余裕がある人)
番号順のよい点は、作曲者が想定した「曲想の変化」をそのまま体験できることです。明るい曲の次に短調の曲、ゆっくりした曲の次に速い曲、というように雰囲気が切り替わるので、通して弾いても飽きにくい構成になっています。音域・曲の長さ・調性・拍子が少しずつ変わっていくため、技術と音楽性が自然に積み上がる、という講師の意見もあります。
レッスンに通っていて、難しい曲で先生のサポートを受けられる場合は、番号順で問題ありません。12番「別れ」や13番「なぐさめ」で時間がかかっても、それは曲集の構成上よくあることだと割り切って進めましょう。
パターン2:難易度順(独学の人・挫折したくない人)
独学で進める方や、一度ブルグミュラーで挫折した経験がある方には、この記事の集計にもとづく難易度順がおすすめです。
- Lv1:1 → 3 → 2 → 5
- Lv2:4 → 6 → 10 → 8 → 9 → 7 → 16
- Lv3:11 → 15 → 19 → 18 → 14 → 12 → 17 → 13
- Lv4:20 → 22 → 21 → 23 → 24 → 25
先に「弾けた」という成功体験を積み重ねられるので、途中で止まりにくくなります。Lv3以降で行き詰まったら、前の章の早見表で自分の苦手を確認し、同じ技術を含む1つ前のレベルの曲に戻って復習するとよいでしょう。
パターン3:テクニック別(苦手を集中して克服したい人)
特定の技術を伸ばしたいときは、同じ課題を持つ曲をまとめて弾く方法もあります。主な技術ごとに曲を分けると次のとおりです。
| 伸ばしたい技術 | おすすめの曲(番号) |
|---|---|
| 旋律を歌う・レガート | 1 すなおな心、3 牧歌、16 あまいなげき、22 舟歌 |
| 細かい音符の粒をそろえる | 2 アラベスク、5 無邪気、7 清らかな流れ |
| スタッカートを軽く弾く | 6 進歩、10 やさしい花、11 せきれい、14 スティリエンヌ |
| 重音(3度・6度) | 4 小さな集会、9 狩り、13 なぐさめ |
| 同音連打・和音連打 | 17 おしゃべり、15 バラード、23 帰り道 |
| アルペジオ・跳躍 | 21 天使のハーモニー、24 つばめ |
| ペダル | 19 アヴェ・マリア、21 天使のハーモニー |
表の中は基本的に集計スコアのやさしい順ですが、連打だけは単純な同音連打の「おしゃべり」から入る順にしています。たとえば「左手が弱い」と感じる方なら、左手の16分音符が続く「バラード」や、左手で和音を支える「狩り」を重点的に選ぶ、という使い方ができます。
どのパターンでも使える「並行練習」
1曲だけを延々と弾き続けると、どうしても飽きが来ます。そこでおすすめなのが、「メインの曲」「テクニックを伸ばす曲」「息抜きに弾く曲」の3曲を並行して進める方法です。たとえばメインに15番「バラード」、テクニック用に17番「おしゃべり」、息抜きに弾けるようになった1番「すなおな心」を組み合わせると、練習のマンネリを防ぎながら連打の技術も伸ばせます。
【一次情報を追加:執筆者がすすめる弾く順番(3パターンのどれを推すか、または独自の順番)とその理由を1〜3文】
発表会で人気のブルグミュラーと難易度
ブルグミュラー25の練習曲は、1曲が短く曲想もはっきりしているため、発表会の曲としても定番です。解説サイトや講師ブログで発表会向きとしてよく挙げられるのは、次のような曲です。
| 曲 | 集計順位 | 聴かせどころ | 難所 |
|---|---|---|---|
| 2 アラベスク | 3位 | 短調の勢いと最後の決め | 左手に旋律が移る部分で16分音符が乱れやすい |
| 9 狩り | 9位 | ホルンの響きと長調・短調の対比 | テンポ指定が速く、重音の音量バランスが難しい |
| 15 バラード | 13位 | ドラマチックな冒頭と穏やかな中間部の対比 | 和音連打を軽く保つこと |
| 20 タランテラ | 20位 | 速い舞曲のスピード感 | 休符の長さと左右のタイミング |
| 25 貴婦人の乗馬 | 25位 | 馬が駆けるような躍動感 | 全要素の総まとめで、体力も必要 |
発表会で弾く曲を選ぶときは、今の自分のレベルより1段階下の曲を、完成度高く仕上げるという考え方もあります。本番は緊張で指が思うように動かないことも多いので、余裕を持って弾ける曲のほうが、聴いている人にも音楽が伝わりやすいからです。
ブルグミュラーを始める時期と前後に使う教本

ブルグミュラー25の練習曲は、導入教本やバイエルの後半あたりから始める曲集として位置づけられることが多い教本です。楽器店の楽譜紹介でも、全音楽譜出版社版は「バイエル修了後に使う練習曲集」、カワイ出版版は「バイエル後半から使える」と紹介されています。テクニックに加えて「表現」を学ぶ最初の曲集、と位置づける講師も少なくありません。
ブルグミュラーを始める目安
始める時期の目安は、次のようなことができるようになった頃です。
- ト音記号とヘ音記号の楽譜を、ゆっくりなら自分で読める
- 両手で簡単な伴奏付きの曲を弾いたことがある
- 8分音符・16分音符など、基本的なリズムが分かる
最近はバイエルを使わない教室も増えており、「メトードローズ」や「みんなのオルガン・ピアノの本」などの導入教本からブルグミュラーへ進むケースもあります。大人の独学の場合は、ピアノの基礎練習とあわせて進めると安定します。毎日の基礎練習メニューやハノン・ツェルニーとの組み合わせ方は、ピアノ基礎練習を独学で続けるコツと練習メニューで詳しく解説しています。
ブルグミュラー25の次は何を弾く?
ブルグミュラーには25の練習曲(Op.100)のほかに、18の練習曲(Op.109)と12の練習曲(Op.105)があります。All Aboutのピアノガイド記事では、難易度は25→18→12の順に上がり、18と12には中級以上のテクニックが必要とされています。
25の練習曲を終えたあとの進路は、主に次の3つです。
- ブルグミュラー18の練習曲:同じ作曲者で、よりドラマチックな曲が多い
- ソナチネアルバム:クレメンティやクーラウなど古典派の形式を学ぶ
- ツェルニー(100番・30番など):指のテクニックを集中的に鍛える
どれか1つに絞る必要はなく、ブルグミュラーの後半と並行してソナチネを始めるという進め方もあります。ソナチネアルバムの弾く順番はソナチネ難易度順|ソナチネアルバムの弾く順番をステップ基準で一覧化、バッハに進みたい方はバッハ インベンション難易度順|何番から弾く?全15曲の順番も参考にしてください。
楽譜(版)の選び方
ブルグミュラー25の練習曲は、複数の出版社から楽譜が出ています。島村楽器の楽譜紹介記事などによると、たとえば次のような特徴があります。
- 学研「標準新版」:各曲に予備練習と音楽用語の解説付き
- ヤマハミュージックメディア「新標準版」:いわさきちひろの挿絵入り
- 東音企画(バスティン)版:全曲に和音記号・コードネーム付き
- 音楽之友社版(春畑セロリ監修):各曲に監修者のコメントがあり、子どもにも親しみやすい
- 全音楽譜出版社版・カワイ出版版:シンプルで定番の版
独学なら予備練習付きの版、コードの勉強もしたいならコードネーム付きの版、と目的で選ぶと失敗しにくくなります。版によって指使いや解説が異なるので、本屋さんや楽器店で実際に開いて、文字の大きさや書き込みのしやすさを確かめるのもおすすめです。
大人・独学でブルグミュラーを最後まで進めるコツ

大人がブルグミュラー25の練習曲を独学で進めるときのコツは、「どこまで弾けたら次へ進むか」と「どうなったら飛ばすか」を自分で決めておくことです。先生がいないと合格の基準があいまいになり、1曲を延々と弾き続けるか、逆に中途半端なまま次へ進んでしまいがちだからです。
1曲の「合格ライン」を決めておく
おすすめの合格ラインは、次の3つです。
- 止まらずに最初から最後まで通して弾ける
- 楽譜の強弱記号(p・f・クレッシェンドなど)を弾き分けられる
- 録音して聴き返したとき、リズムが崩れている箇所がない
テンポは、原典の速さに届かなくてもかまいません。ピティナ・ピアノ曲事典の解説では、たとえば「アラベスク」の原典テンポは四分音符=152とされていますが、独学ではまず無理のない速さで3つの条件を満たすことを優先しましょう。
止まった曲は「飛ばして戻る」
次のサインが出たら、いったん飛ばして同じレベルの別の曲に進むのも一つの方法です。
- 2〜3週間練習しても形にならない
- 技術的に明らかに早すぎると感じる
- 弾いていて楽しくない
ブルグミュラーは1曲ずつ独立しているので、順番を入れ替えても学習の流れは崩れません。ほかの曲で指が育ってから戻ると、驚くほど弾きやすくなっていることがあります。ちなみに、全25曲の練習日数を記録した独学者のブログ記事では、2番・3番が8日、23番が96日と、曲によって10倍以上の差がありました。1曲に時間がかかっても、焦る必要はまったくありません。
お手本と録音で「聴く力」を育てる
独学で上達のスピードを分けるのは、自分の音を客観的に聴けるかどうかです。弾いている最中は指に意識が向くため、強弱をつけたつもりでも、実際にはほとんど差がついていないことがよくあります。スマートフォンで録音・録画し、プロの演奏と聴き比べてみましょう。お手本にするなら、テンポや表現が安定している大人のピアニストの演奏がおすすめです。
楽譜に書かれた「dolce(やさしく)」「agitato(激しく)」などの音楽用語を調べて書き込んでおくと、曲のイメージがはっきりし、表現が独りよがりになるのを防げます。
【一次情報を追加:独学・レッスンで1曲を仕上げる目安期間や、執筆者が実践していた合格ラインについて1〜3文】
フォームは一度プロに見てもらう
ブルグミュラーは、楽譜どおりに音を並べるだけなら独学でも進められます。一方で、ペダルの踏み方や手首の使い方、スタッカートの弾き分けといった「体の使い方」は、文章や動画だけでは確認しにくい部分です。特にLv3以降で止まったときは、オンラインレッスンや体験レッスンで一度フォームを見てもらうと、遠回りを防げます。独学をどこまで続けるかの判断はピアノ独学の限界はどこ?伸び悩む7つのサインと教室に切り替える目安、大人の独学の進め方は大人のピアノ独学は何から始める?60日で1曲弾ける練習の順番も参考にしてください。
\まずは体験レッスンから/
\教室で直接見てもらいたい方は/
ブルグミュラーの難易度に関するよくある質問
Q. ブルグミュラーは全25曲を弾かないといけない?
A. 必ずしも全曲を弾く必要はありません。講師のブログなどでも、得意な曲と苦手な曲を選んで抜粋し、1曲ずつ完成度を高める進め方が紹介されています。ただし、苦手な技術を含む曲ばかり避けると力が偏るので、この記事の早見表で苦手な技術の曲を1〜2曲は入れておくのがおすすめです。
Q. ペダルはいつから使えばいい?
A. ブルグミュラー25の練習曲でペダルが特に効果的とされるのは、7番「清らかな流れ」、19番「アヴェ・マリア」、21番「天使のハーモニー」、24番「つばめ」です。ペダルは音を響かせる分、ミスや音のつながりの悪さを隠してしまうこともあります。まずはペダルなしで手だけで音をつなげられるようにしてから、最後にペダルを加えると失敗しにくくなります。
Q. ブルグミュラーが難しすぎると感じたら?
A. 一覧表のLv1(1・3・2・5番)が難しいと感じる場合は、導入教本に少し戻って読譜やリズムを固めるのも一つの選択です。Lv2以降で難しいと感じる場合は、早見表で苦手な技術を特定し、同じ技術を含むやさしい曲から取り組み直してみてください。気分転換に、初心者でも弾ける簡単なピアノ曲を挟むのも効果的です。
まとめ:ブルグミュラーは難易度順と「自分の苦手」を知れば挫折しにくい
この記事では、ブルグミュラー25の練習曲を7つの評価で集計した難易度順に並べ、4段階のレベル分けとおすすめの弾く順番を紹介しました。
- 公式の難易度順はある?→出版社・団体が定めた難易度順はなく、曲順は作品番号順。ピティナのステップでも25曲は同じレベル帯です。
- やさしい曲・難しい曲・評価が割れる曲は?→最もやさしいのは1・3・2番、最も難しいのは24番「つばめ」と25番「貴婦人の乗馬」。7・16・19番はペダルや左手の得意・苦手で評価が割れます。
- どんな順番で弾けばいい?→先生に習っているなら番号順、独学ならLv1→Lv4の難易度順、苦手克服ならテクニック別がおすすめです。
【一次情報を追加:ブルグミュラーに取り組む読者への執筆者からの一言(励まし・自分の経験からのアドバイス)を1〜3文】
ブルグミュラーの難易度順は、あくまで地図のようなものです。この記事のランキング表と早見表を参考に、まずはLv1の1曲から始めてみてください。基礎練習との組み合わせ方はピアノ基礎練習の完全ガイド、大人がピアノを続けるコツは大人のピアノ挫折率は?やめる理由TOP5と続けるコツで紹介しています。
\憧れの1曲まで、1曲ずつ仕上げる/