きらきら星変奏曲の難易度|変奏ごとの難所と何年目で弾けるかの目安

きらきら星変奏曲の難易度は、全音ピアノピースでD(中級上)、ヘンレ社の9段階評価で5(中級)です。ただし、主題と前半の変奏はソナチネ程度で届く一方、最後の第12変奏はツェルニー40番相当と、1曲の中で難しさが大きく変わります。全曲を弾くならピアノ歴5〜7年、抜粋なら3〜4年が目安です。

誰もが知っている「きらきら星」のメロディだから、自分にも弾けそう。トルコ行進曲やエリーゼのためにの次に弾く曲を探している方や、発表会の候補として先生に勧められた方なら、そう考えたことがあるのではないでしょうか。ところが楽譜を開くと、後半の変奏は驚くほど細かく、華やかです。

  • きらきら星変奏曲は、トルコ行進曲やエリーゼのためにより難しい?
  • 全12変奏の中で、どこが簡単でどこが難しい?
  • 全曲は無理そう。抜粋して弾いてもいい?

この記事では、全12変奏の難易度を1つの図と表にまとめ、定番曲との比較、何年目で弾けるかの目安、発表会向けの抜粋構成、変奏ごとの弾き方まで紹介します。「全曲か、あきらめるか」の二択ではなく、今の自分に合う弾き方を選べるようになることがゴールです。作曲者についてはモーツァルトの解説もあわせてご覧ください。

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目次

きらきら星変奏曲の難易度は全音D|主題と最後で別の曲

きらきら星変奏曲の難易度は、国内では全音ピアノピースのD(中級上)、海外ではヘンレ社の5(中級)が基準になります。ただし、最大の特徴は曲の中での難しさの差が大きいことです。主題はやさしく、変奏が進むほど音が細かくなり、最後に最大の山場が来ます。

項目 内容
全音ピアノピース D(中級上)/PP-024
ヘンレ社の難易度 5(中級)/9段階評価
英国王立音楽検定(ABRSM) 主題・第1変奏・第5変奏の抜粋がグレード5の課題曲(2023・2024年版)
教本での目安 全体でツェルニー30〜40番、最難の変奏は40番相当
調 ハ長調(第8変奏のみハ短調)
拍子 2/4(第12変奏のみ3/4)
作品番号 K.265(K.300e)
構成 主題と12の変奏
演奏時間 反復の有無で約6分〜12分

全音ピアノピースのDには、シューベルトの即興曲Op.90-2やメンデルスゾーンの「春の歌」が並びます。1つ上のEには「月光」や幻想即興曲があるので、きらきら星変奏曲は「上級の手前にある、中級の仕上げの曲」という位置づけです。

「きらきら星」なのに難易度Dになる理由

きらきら星変奏曲が難易度Dになる理由は、ハ長調で音が見えやすい分、粒のそろわなさが丸聞こえになるからだと編集部は考えます。誰もが知っているメロディだからと、簡単な曲だと思われがちですが、聴く側も旋律をよく知っているため、小さな乱れにすぐ気づいてしまいます。

ソラ
ハ長調なら黒鍵もないのに、どうして難しいの?
カイ
モーツァルトは音が少なくて透明だからね。隠れる場所がないんだ。同じ指の動きを均等にそろえる力が問われるよ。

もう1つの理由は、変奏曲という形式そのものにあります。変奏曲は最初から最後までで1曲なので、やさしい変奏がいくつあっても、いちばん難しい変奏を弾けなければ全曲は仕上がりません。全音のDという評価は、最難の第12変奏まで含めた評価だと考えると納得がいきます。

難易度の評価が人によって割れる理由

きらきら星変奏曲の難易度は、調べるほど「意外と弾ける」「一生かかる」と意見が割れます。Yahoo!知恵袋の質問でも、トルコ行進曲との比較に対して3人の回答がきれいに分かれていました。

  • 単純には比べられない派:トルコ行進曲は短い分ミスが目立ち、きらきら星変奏曲は長い分、表現力が要る
  • 同じくらい難しい派:きらきら星変奏曲は長く、退屈に聴こえないように弾くのが難しい
  • きらきら星のほうが難しい派(ピアノ講師):左右どちらの手にも細かい動きがあり、ゆったり歌う変奏もある。発表会ならツェルニー40番の中盤まで進んでから

編集部はこの割れ方を、「音を並べる難しさ」と「聴かせる難しさ」を別々に見ているからだと整理しています。音を並べるだけならソナチネ程度でも前半は届きます。しかし、12の変奏を弾き分けて約10分間飽きさせない演奏となると、上級者でも簡単ではありません。どちらの意味で「弾ける」を目指すのかを先に決めると、難易度の情報に振り回されなくなります。

全12変奏の難易度を1表で比較

きらきら星変奏曲の全12変奏を、技術の内容と難しさで整理しました。前半(主題〜第5変奏)は取り組みやすく、第6変奏から左手の負担が増え、第12変奏が最大の山場です。★は講師の解説や海外の検定の選曲をもとにした編集部の目安です。

きらきら星変奏曲の主題と全12変奏の難易度を星1から5で比べた棒グラフ。第12変奏が最も難しい

変奏 特徴 必要な技術 難しさ
主題 おなじみのメロディ 音をつなげて歌う、飾らずに弾く ★
第1変奏 右手が16分音符で飾る 右手の粒、両手の縦の線 ★★
第2変奏 左手が16分音符で動く 左手の指使い、右手の旋律を浮かせる ★★★
第3変奏 右手の三連符 三連符の均等さ、拍に合わせたトリル ★★★
第4変奏 左手の三連符 左手の開き、スタッカートとスラーの対比 ★★★
第5変奏 音数の少ない左右の対話 間の取り方、休符の正確さ ★★
第6変奏 16分音符が左手から右手へ移る 左手の速い指回り、伴奏を出しすぎない ★★★★
第7変奏 音階(スケール)中心 音階の粒、指番号の整理 ★★★
第8変奏 ハ短調、フーガ風の追いかけ合い 声部の弾き分け、歌う表現 ★★★
第9変奏 ハ長調に戻る、短く軽やか スタッカートとスラーの区別 ★★
第10変奏 左手が右手を飛び越える(手の交差) 手の移動、16分休符の正確さ ★★★★
第11変奏 Adagio、ゆっくり歌う 装飾音、音色、強弱の対比 ★★★
第12変奏 3/4拍子、Allegro 左右の16分音符の持久力 ★★★★★

ピアノで聴く「きらきら星変奏曲(全曲)」(演奏:辻井伸行)

第12変奏が最も難しい理由

第12変奏がきらきら星変奏曲で最も難しいと言われるのは、唯一の3拍子で、左右どちらの手にも16分音符が休みなく続くからです。曲全体の頂点として、コーダ(締めくくりの部分)まで一気に駆け抜けます。ここまで約10分弾いてきた手に、最後の負担が来るのが厳しいところです。指が回らないと華やかに終われないので、全曲を目指すならいちばん多く練習時間を割くべき変奏です。

実は第11変奏も侮れない

編集部が注目してほしいのは、Adagio(ゆっくり)の第11変奏です。テンポが遅く、譜面上は弾きやすく見えます。しかし、急に強くしてすぐ弱める指示や装飾音の入れ方など、表現の力がすべて表に出ます。弾きやすいぶん速くなりがちですが、速く弾くのは次の第12変奏です。ただ弾くだけなら★3、聴かせるなら★4以上と考えてください。

速度指示があるのは2つの変奏だけ

きらきら星変奏曲の楽譜に速度の指示があるのは、第11変奏のAdagioと、第12変奏のAllegroだけです。ほかの変奏は主題のテンポのまま進むので、音が細かい変奏で遅くなったり、音の少ない第5変奏で速くなったりしないよう注意しましょう。

トルコ行進曲・エリーゼのために・K.545と比べた難易度

きらきら星変奏曲の全曲は、トルコ行進曲やエリーゼのためによりも難しいと考えるのが無難です。一方、抜粋なら選ぶ変奏によって同じくらいの難易度に調整できます。演奏時間と教本の目安で、定番曲と並べてみました。

きらきら星変奏曲の全曲と抜粋を、トルコ行進曲・エリーゼのために・ソナタK.545と演奏時間と教本レベルで比べた図

曲 難しさの種類 長さ 向いている人
エリーゼのために 右手の旋律とペダル 約3分 初めての名曲に挑戦したい
トルコ行進曲(K.331第3楽章) 短いが正確さが問われる 約3〜4分 短い時間で映えたい
ソナタK.545第1楽章 ソナチネの次の入口 約4〜5分 古典の基礎を固めたい
きらきら星変奏曲(抜粋) 選ぶ変奏で調整できる 約2〜5分 発表会で無理なく映えたい
きらきら星変奏曲(全曲) 長さと変化への対応 約6〜12分 持久力と表現を伸ばしたい

演奏時間と教本の位置は、おおよその目安です。

トルコ行進曲との違いは「左手」と「長さ」

きらきら星変奏曲とトルコ行進曲のいちばんの違いは、左手にも速い動きがあることと、曲の長さです。トルコ行進曲は速いパッセージがほぼ右手に限られますが、きらきら星変奏曲は第2・第4・第6変奏で左手が主役になります。左右の指の力に差があると、そこで粒がそろわなくなります。

トルコ行進曲を弾けた方が、次にきらきら星変奏曲に進むのは自然な流れです。全曲は長いので、まず主題と3〜4つの変奏から始めると、達成感を得ながらレベルを上げられます。

ピアノで聴く「トルコ行進曲」(演奏:藤田真央)

エリーゼのためにが弾ければ弾ける?

エリーゼのためにが弾ける方なら、きらきら星変奏曲の主題と前半の変奏には手が届きます。ただし全曲となると話は別です。

大人になってピアノを再開した方のブログには、先生から「エリーゼのためにが弾けるなら大丈夫」と発表会曲に勧められたものの、約3分の曲しか弾いたことがない状態で12の変奏を前にし、4か月で仕上がるか不安になったという体験が書かれていました。第1変奏まではすぐ形になっても、同じ作業があと11回続く。この「長さの壁」が、エリーゼのためにとの本当の差です。

編集部の考えでは、先生の言う「大丈夫」は「前半の変奏は弾ける」「抜粋なら発表会に出せる」という意味であることが多いはずです。勧められたら、全曲なのか抜粋なのかを最初に確認することをおすすめします。

ピアノで聴く「エリーゼのために」(演奏:ラン・ラン)

古典派の練習としての価値

きらきら星変奏曲は、音階、分散和音、三連符、手の交差、左右の対話と、古典派の技術がまとめて学べる曲です。ヘンレ社の楽譜解説によれば、モーツァルトがウィーンでピアノ教師として身を立てようとしていた時期の作品で、今でも優れた教材だとされています。ソナタに進む前の総仕上げとして取り組む価値があります。ソナチネの先の進み方はソナチネの解説も参考になります。

ピアノで聴く「ソナタK.545 第1楽章」(演奏:ラン・ラン)

きらきら星変奏曲は何年目で弾ける?目標別の目安

きらきら星変奏曲を弾ける目安は、抜粋ならピアノ歴3〜4年、全曲なら5〜7年です。編集部の目安であり、週の練習量や、子どもか大人かによって前後します。

きらきら星変奏曲を弾ける時期の目安を、抜粋から全曲まで4段階で示したロードマップ

目標 教本の目安 ピアノ歴の目安 練習期間の目安
主題と第1・第5変奏 ブルグミュラー修了 2〜3年 1〜2か月
主題+4変奏の抜粋 ソナチネ 3〜4年 2〜3か月
第12変奏まで含む抜粋 ツェルニー30番修了 5年前後 3〜5か月
全曲 ツェルニー40番 5〜7年 6か月前後

最初の段階を「主題と第1・第5変奏」にしたのは、英国王立音楽検定(ABRSM)がまさにこの3つをグレード5(8段階の中ほど)の課題曲に選んでいるからです。世界的な検定でも、きらきら星変奏曲は抜粋で弾く曲として扱われていることがわかります。

全曲にこだわらなくていい理由

きらきら星変奏曲は、全曲にこだわらなくても十分に楽しめる曲です。全曲は仕上げに時間がかかるうえに、発表会には長すぎることもあります。難易度が高いからと一部の人だけの曲にしてしまうのは、もったいない話です。「全曲じゃないから中途半端」と考える必要はまったくありません。

ソラ
途中の変奏だけ弾くのって、ずるくないのかな?
カイ
ずるくないよ。海外の検定でも抜粋が課題曲になっているくらいだからね。弾ける変奏から少しずつ増やしていけば、いつの間にか全曲に近づいているよ。

簡単版の楽譜という選択

原曲がまだ難しい方には、やさしく編曲された簡単版の楽譜もあります。選ぶときはレベル表記を確認し、原曲の変奏がいくつ入っているかを見ましょう。簡単版で曲の流れをつかんでから原曲に移ると、譜読みがぐっと楽になります。

発表会向けの抜粋構成案|3パターン

発表会できらきら星変奏曲を弾くなら、主題、対照的な変奏、華やかな終わりの3要素を入れた抜粋構成が映えます。編集部が考えた3パターンを紹介します。

きらきら星変奏曲を発表会で抜粋して弾くときの構成3パターン(やさしめ・中間・華やか)の図

パターン 構成 狙いの長さ 向いている人
やさしめ 主題→第1→第5→第3 約2分 初めての発表会
中間 主題→第1→第2→第8→第9 約3分 短調で変化をつけたい
華やか 主題→第1→第7→第11→第12 約4〜5分 しっかり弾き切りたい

長さは反復を省いた場合の目安です。先生と相談して、発表会の持ち時間に合わせてください。

第8変奏を入れると物語が生まれる

編集部のおすすめは、短調の第8変奏を入れることです。ずっと明るい曲の中に陰が差すと、次の変奏の明るさが一段と輝きます。原曲でも第8変奏の直後に、短く軽やかな第9変奏が置かれています。「中間」パターンで第8→第9と続けて終えるのは、モーツァルト自身の並べ方を生かした構成です。

発表会で選ばれる理由と、反復の扱い

きらきら星変奏曲が発表会で人気なのは、客席の誰もがメロディを知っているからです。聴く人が旋律を追えるので、変奏の変化がそのまま楽しさとして伝わります。

変奏の反復(繰り返し)を省くのは、発表会ではよくある工夫です。反復する場合は、1回目と2回目で強弱や音の切り方を少し変えると、単調になりません。前半だけ繰り返すなど、先生と相談のうえ時間に合わせて調整しましょう。

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きらきら星変奏曲の背景|モーツァルトと「ああ、お母さん聞いて」

きらきら星変奏曲の正式な名前は、「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲です。主題は18世紀のフランスで流行した歌で、もとは娘が母親に恋の悩みを打ち明ける内容でした。「きらきら星」の歌詞がつけられたのはモーツァルトの死後のことで、モーツァルト自身は星の曲として書いたわけではありません。

作曲年については、かつて1778年のパリ滞在中の作品と考えられ、K.300eという番号が付けられました。しかし、自筆譜の筆跡の研究により、現在は1781〜82年ごろのウィーン時代の作品とする説が有力です。出版は1785年で、初版はモーツァルトの弟子だったピアニスト、ヨーゼファ・アウエルンハンマーに献呈されています。弟子のレッスンに使うために書かれたという見方もあり、「変奏を1つずつ積み上げて上達する」という今の練習の仕方は、作曲の目的にも合っているのです。

変奏ごとの弾き方と練習のポイント

きらきら星変奏曲の弾き方のポイントを、前半・中盤・終盤に分けて紹介します。ピアノ講師による解説と編集部の分析をもとに、つまずきやすい場所を中心にまとめました。小節の数え方は版によって異なる場合があります。

主題〜第5変奏|粒をそろえ、旋律を浮かせる

  • 主題:凝った表現はせず、さらりと弾きます。聴く人がこの旋律を基準に変奏を聴くからです。
  • 第1変奏:右手の16分音符の粒をそろえます。左手と縦の線が合うと、一気に整って聴こえます。
  • 第2変奏:左手が16分音符で動き続けますが、主役は右手です。左手だけを片手でゆっくり練習し、指をまたぐ場所に指番号を書き込みましょう。
  • 第3変奏:三連符の途中に入るトリル(隣の音と細かく交互に弾く装飾)が難所です。主音から始める方法と上の音から始める方法があり、どちらでも構いませんが、拍の中にきっちり収めます。
  • 第4変奏:左手の三連符は手が小さいと広く感じます。拍の頭のスタッカートは切ってよいので、そこで手を楽にしましょう。
  • 第5変奏:音が少なく、聴く人には中だるみしやすい変奏です。左右の手が会話しているように、近い距離で話す音量で弾きます。

第6〜第10変奏|左手の速さと手の交差

  • 第6変奏:16分音符は伴奏で、長い音符のほうが旋律です。必死に弾くと16分音符が目立つので、「飾り」だと意識します。クレッシェンドは伴奏の16分音符でつけると自然です。
  • 第7変奏:音階が得意な人ほど映えます。ハノンなどで音階の指番号を固めておくと楽になります。スタッカートとスラーが同時に書かれた音は、切りすぎず、1音ずつはっきり弾きます。
  • 第8変奏:唯一の短調です。右手の旋律を左手が追いかけるフーガ風の作りなので、後から入る声部も聴きながら、しっとり歌います。
  • 第9変奏:短調の気分を引きずらず、明るく切り替えます。短い変奏なので、スタッカートとスラーの違いを見落とさないことが大切です。
  • 第10変奏:左手が右手を飛び越える手の交差があります。どの音で手を移すかを先に決め、腕全体で動かしましょう。16分休符をあいまいにすると、続く16分音符がそろいません。

第11・第12変奏|歌ってから駆け抜ける

第11変奏は、装飾音と強弱の対比を丁寧に読み、急がずに歌います。第12変奏は、左右の16分音符が続く持久力の変奏です。全部をいきなり通すのではなく、4小節ずつ分けて、最初はゆっくり弾きます。

編集部のおすすめは、終わりから逆に練習することです。最後の4小節、その前の4小節と遡ると、終わりに向かうほど弾き慣れた場所になり、本番で後半に崩れにくくなります。

全体に共通するコツ|ペダルに頼らず、指で歌う

きらきら星変奏曲の全体に共通するコツは、ペダルを最小限にして、指でレガート(音をなめらかにつなぐこと)を作ることです。ペダルで響きをつなぐと、モーツァルトらしい透明感が消え、音がにごってしまいます。テンポを上げるより、粒がそろって聴こえることを優先しましょう。どの変奏でも、きらきら星の旋律がつながって聴こえているかを確かめるのが近道です。

全曲を半年で仕上げる練習計画

きらきら星変奏曲の全曲を半年で仕上げる練習計画を、編集部の目安として紹介します。最初の3か月で譜読みを終え、第12変奏に1か月、最後の2か月を仕上げに使うペースです。

時期 やること
1か月目 主題、第1〜第3変奏
2か月目 第4〜第7変奏
3か月目 第8〜第11変奏
4か月目 第12変奏を単独で
5か月目 前半と後半をつなげて通す
6か月目 人前で弾く、録音して調整する

1回の練習は30分〜1時間を目安に、変奏ごとに区切って進めると集中が続きます。第12変奏だけは、1か月目から毎日数小節ずつ触っておくと、4か月目がぐっと楽になります。

全部を同じ速さに保つ練習

変奏ごとに速くなったり遅くなったりしないよう、全曲を同じメトロノームの速さで弾いてみましょう。第11変奏と第12変奏を除き、変奏の間で拍がそろっているかを確認します。録音して聴くと、自分のくせがすぐにわかります。

きらきら星変奏曲の楽譜の選び方

きらきら星変奏曲の楽譜は、目的に合わせて3つの中から選ぶのがおすすめです。

楽譜 特徴 向いている人
全音ピアノピース(PP-024) 1曲だけで買える。楽器店で手に入りやすい まず全曲を見てみたい
ヘンレ社の原典版(HN 165) 作曲者の書いた形に忠実。指番号つき 長く使う1冊がほしい、全曲を目指す
IMSLPの無料楽譜 著作権の切れた古い版を無料で閲覧できる 購入前に難しさを確かめたい

版によって、強弱記号やスラーの書き方が少しずつ違います。先生についている方は、どの版を使うか先に相談しましょう。発表会で抜粋するなら、繰り返しの指示もよく確認してください。出版されている楽譜の一覧はピティナ・ピアノ曲事典でも確認できます。

きらきら星変奏曲のよくある質問

何歳くらいから弾ける?

抜粋であれば、ブルグミュラーを終えた小学校中学年〜高学年ごろから挑戦できます。子どもの発表会でも人気の曲です。発表会の選曲は小学生の発表会の曲も参考にしてください。

大人の初心者でも弾ける?

主題とやさしい編曲なら、大人の初心者でも1年ほどで弾けるようになるでしょう。原曲の変奏は、ソナチネを弾けるようになってからが無理のない目安です。大人の場合は、全曲を一気に目指すより、弾ける変奏を1つずつ増やすほうが続きます。

手が小さくても大丈夫?

オクターブが頻繁に出る曲ではないので、手の小さい方にも取り組みやすい曲です。第4変奏の左手の三連符は手が小さいと広く感じますが、拍の頭のスタッカートで手を離せるので、ゆっくり慣らしましょう。

ペダルは使う?

基本は使わないか、ごく浅く短く使う程度です。第11変奏のようなゆっくりした変奏で、響きを少し足したいときに限ると、モーツァルトらしさを保てます。

モーツァルトらしく弾くコツは?

力強く弾きすぎないことです。音の粒をそろえ、スタッカートとレガートを弾き分けるだけで、ずっとモーツァルトらしくなります。強弱記号は多くないので、書かれている記号は1つずつ丁寧に読みましょう。

まとめ|きらきら星変奏曲の難易度は選ぶ変奏で変えられる

最初の疑問に答えます。

  • トルコ行進曲やエリーゼのためにより難しい? 全曲は、長さと左手の動きの分だけ難しくなります。抜粋なら同程度に調整できます。
  • どこが難しい? 第12変奏が最難で、第6・第10変奏が続きます。主題と第1・第5・第9変奏は取り組みやすいです。
  • 抜粋でもいい? はい。海外の検定でも抜粋が課題曲です。主題、対照的な変奏、華やかな終わりで構成すると映えます。

きらきら星変奏曲の難易度は、選ぶ変奏によって自由に変えられます。全曲に挑むのも、好きな変奏だけ弾くのも、どちらも立派な楽しみ方です。まずは主題と第1変奏から、音の粒をそろえて弾いてみてください。

▶ あわせて読みたい:トルコ行進曲の解説/モーツァルトの解説