革命のエチュードの難易度は、全音ピアノピースでF(上級上)、ヘンレ社の9段階評価で8です。冒頭、嵐のように駆け下りる左手を聴いて「いつかあの迫力で弾いてみたい」と思った方は多いのではないでしょうか。発表会でも人気の高い1曲ですが、実際に楽譜を開くと、左手が最初から最後までほとんど休まずに動き続けることに驚くはずです。
革命のエチュードは、右手の派手な旋律よりも、左手の持久力と指の独立が問われる曲です。ここを理解しているかどうかで、練習の効率は大きく変わります。
- 革命のエチュードは実際どのくらい難しいの?別れの曲や幻想即興曲とどちらが上?
- 左手が途中で疲れて崩れてしまう。どう練習すればいい?
- ピアノを始めて何年目くらいで挑戦できるの?
この記事では、全音ピアノピースとヘンレ社の公式評価に加えて、実際に革命のエチュードを弾いた人のブログやQ&Aサイトの声を集め、「数字で見た難易度」と「弾いた人の体感」の両方から革命のエチュードの位置を確かめます。そのうえで、難所の分解、左手を鍛える練習ステップ、挑戦してよいタイミングの判断基準までをまとめました。ショパンのエチュード全体の難易度はショパン エチュード難易度ランキング【全24曲】で比較しています。中級以上で、次の目標曲に革命のエチュードを考えている方に向けた内容です。
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革命のエチュードの難易度は全音F・ヘンレ8|指標で見る本当の位置

革命のエチュードの難易度は、全音ピアノピースのA〜Fの6段階で最上位の「F(上級上)」、ヘンレ社の1〜9の9段階で「8」です。どちらの指標でも「上から2番目以上」に位置しますが、ショパンのエチュードの中では最難関ではありません。まずは公式の指標を並べて、革命のエチュードの立ち位置を確かめましょう。
全音ピアノピースとヘンレ社の評価を並べると
全音ピアノピースではショパンのエチュードがどれもFにまとめられているため、エチュード同士の差はヘンレ社の評価のほうが分かりやすくなります。
| 曲 | 全音ピアノピース | ヘンレ社(1〜9) |
|---|---|---|
| 革命のエチュード(作品10-12) | F(上級上) | 8 |
| 別れの曲(作品10-3) | F(上級上) | 7 |
| 黒鍵のエチュード(作品10-5) | F(上級上) | 7 |
| エオリアンハープ(作品25-1) | F(上級上) | 6 |
| 木枯らしのエチュード(作品25-11) | F(上級上) | 9 |
| 幻想即興曲(作品66) | E(上級) | 7 |
出典:全音ピアノピースサイト(全音楽譜出版社)「難易度から探す」、G. Henle Verlag「Etudes HN 124」「Fantaisie-Impromptu」(2026年10月時点)
ヘンレ社の評価では、ショパンのエチュード24曲は6〜9の範囲に収まります。革命のエチュードは「有名なエチュードの中では木枯らしに次いで難しい」位置にあり、別れの曲や黒鍵より1段階上と考えてよいでしょう。
革命のエチュードの基本情報|作品10-12・ハ短調・約3分
革命のエチュードは、ショパンの「12の練習曲 作品10」の最後を飾る第12番です。調はハ短調、4/4拍子で、速度記号は「Allegro con fuoco(速く、火のように)」。ピティナ・ピアノ曲事典では作曲年を1830〜32年、演奏時間を約3分としています。作品10は1833年に出版され、友人のフランツ・リストに献呈されました。
曲は冒頭の激しい下降音型から始まり、右手のオクターヴによる主題、転調の多い中間部、主題の再現を経て、最後は両手のユニゾン(同じ音型を両手で弾くこと)で低音域へ一気に駆け下りて終わります。
難しさの正体は「左手のためのエチュード」
革命のエチュードの難しさは、左手の16分音符がほぼ最初から最後まで続くことにあります。右手は大きな和音やオクターヴで旋律を担当しますが、音の数そのものは左手のほうが圧倒的に多いのです。
つまり革命のエチュードは、ふだん伴奏に回りがちな左手を主役にして鍛えるための練習曲です。「右手の旋律がかっこいいから弾きたい」と思って始めた方ほど、練習時間の大半を左手に使うつもりで計画することが大切です。
弾いた人の「体感難易度」は上級上から中級上までばらつく
公式の指標は「F」「8」で固定ですが、実際に弾いた人の体感はかなり幅があります。編集部が革命のエチュードについて書かれたブログやQ&Aサイトを読み比べたところ、評価は次のように分かれていました。
- ピアノ再開組のブログ(somalica氏):10段階中★7。英雄ポロネーズ(★9)やワルトシュタインより易しく、全音Eの幻想即興曲と同程度か、個人的にはそれより弾きやすいと感じるとしています
- chopinist.net:難易度8.5/10。難しさは「特定の難しい音」ではなく速いパッセージそのものにあると書かれています
- Yahoo!知恵袋の回答者6人:「上級の上」「上級の中」「上級の下」「ツェルニー40番後半程度の中級上」まで評価が割れ、英雄ポロネーズより易しいとする声が複数ありました
評価がばらつく理由は、テンポをどこまで求めるかで難しさが変わるからです。知恵袋の回答にも「ピアニストの指定テンポで弾けば超上級、ゆっくりなら中級上くらい」という意見がありました。編集部としては、「ゆっくりなら形になる曲」ではなく「指定テンポで左手が崩れない曲」として捉えたうえで、全音F・ヘンレ8という公式評価を基準に準備するのが安全だと考えています。
革命のエチュードの難しいポイント4つ|経験者が口をそろえる難所はどこ?

革命のエチュードの難所は、左手のパッセージを中心に4つあります。どれも「速く弾く」以前に、力を抜いたまま均等に弾けるかが問われる点で共通しています。さらに、経験者のブログを読み比べると、「28〜31小節目あたりの中間部」を最大の難所に挙げる声が重なっていました。
難所①:冒頭の下降音型と、待たされる主和音
革命のエチュードは、ハ短調の主和音(ドミソ)ではなく、不安定な響きの属七の和音から始まります。ピティナ・ピアノ曲事典の解説によると、主和音がはっきり現れるのは9〜10小節目になってからです。冒頭の下降音型は、左手が鍵盤の高い位置から低い位置へ、黒鍵と白鍵を混ぜながら駆け下りるため、手の位置を目で追っているうちは速くなりません。
ピティナの演奏のヒントでは、7〜8小節目の16分音符の長7度の跳躍は急がずに時間を取り、mf→f→ffと段階的に強めること、主和音が初めて現れる9小節目はフォルテで処理することが勧められています。冒頭は「速く」より「緊張感を保ったまま段階的に大きく」と考えると、無駄な力が抜けます。
難所②:オクターヴの主題と、左手の持久力
10小節目から右手のオクターヴによる主題が始まります。右手は堂々と歌えばよいのですが、問題はその下で左手が波のような16分音符を弾き続けることです。片手ずつなら弾けても、両手を合わせると右手につられて左手が雑になり、後半で腕が重くなってきます。
ピアノ講師によるブログ(RAIN MUSIC・佐々木隆介氏)では、右手は和音のバランスに注意し、ソプラノ(いちばん上の音)が美しく響くように小指を効かせることが助言されています。右手を「全部の音を同じ強さで鳴らす」のではなく「上の音を歌わせる」と決めると、力みが減って左手に意識を回せます。
難所③:付点リズムと、手を固めないオクターヴ
主題の途中には、右手に付点リズム(長い音と短い音の組み合わせ)が出てきます。ここは手を開いたまま固めないことが難しいポイントです。ピティナの解説では、付点音符に力を入れ、続く16分音符は軽く「一つのモーション(動作)」で弾くことが勧められています。
手が小さい方は、オクターヴを「掴む」たびに力が入りやすくなります。1つの和音を弾いたら手の力を抜く、という習慣を片手練習の段階でつけておきましょう。
難所④:29小節目からのゼクエンツと、コーダの両手ユニゾン
中間部では調がめまぐるしく変わり、左手のパッセージの形も次々に変化します。佐々木氏は「個人差はある」と前置きしたうえで、29小節目からのゼクエンツ(同じ音型を高さを変えて繰り返す反復進行)を最も弾きにくい箇所に挙げています。黒鍵と白鍵の位置関係が掴みにくいため、手首を柔らかく保ち、手のひらのポジションをはっきりさせることが助言されています。
再開組のsomalica氏も、28小節目あたりから始まる中間部で左手の踏み外しが多くなると書いています。複数の経験者が同じ場所を挙げている以上、ここは譜読みの最初から「後回しにしない区間」として扱うのが賢明です。
曲の終わりのコーダ(締めくくりの部分)では、76小節目から一瞬ハ長調の明るい響きが現れたあと、両手が同じ音型で低音へ駆け下ります。両手のタイミングが少しでもずれると濁って聴こえるため、最後まで集中が切れないようにしましょう。
革命のエチュードの左手を鍛える練習ステップ|経験者が効果を感じた方法も

革命のエチュードの練習は、左手だけで曲全体を通せるようになってから両手を合わせるのが基本です。右手のオクターヴは比較的早く形になるので、先に両手で弾き始めると、左手の粗さに気づきにくくなります。再開組のsomalica氏も「左手だけをゆっくり練習することから始めればなんとかなる」と結論づけており、この順番は経験者の間でもほぼ共通しています。
5つのステップで左手を仕上げる
革命のエチュードの左手は、次の5つのステップで仕上げていくと迷いません。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 区切って譜読み | 左手のパッセージを2小節ずつ区切り、指番号を決めて書き込む | 指番号は途中で変えない |
| 2. 手の形をつかむ | 1拍分(16分音符4つ)をまとめて和音のように押さえ、手の形を覚える | 次の形への移動を目で追わなくてよくなるまで |
| 3. リズム変奏 | 付点のリズムや逆付点のリズムに変えて弾く | 弱い指(4・5)の粒をそろえる |
| 4. 左手で通す | ゆっくりのテンポで左手だけ曲全体を通す | 後半で腕が重くならないか確認 |
| 5. 両手を合わせる | 区切りごとに両手で合わせ、少しずつテンポを上げる | 右手につられて左手が雑にならないように |
指番号は「定石どおり」から始める|経験者の運指例
革命のエチュードの左手は、同じ音形のパターンが繰り返されるため、楽譜に書かれた定石の指番号のほうが結果的に弾きやすいことが多い曲です。佐々木氏は、複数の出版社の楽譜を比べて自分に合う運指を探すこと、そして「フレーズのどこからどこまでを同じポジションで弾くか」を細かく決めておくと、テンポを上げたときにスムーズになると助言しています。
chopinist.netでは、左手の上行パッセージを「5-1-4-2-1-2-4-1」の繰り返しで弾く運指が紹介されています。ポイントは、1つ1つの移動を「大きな跳躍」と捉えず、素早いポジションの切り替えとして練習することです。同じ記事では、ふつうに弾いたあとで意識的に4・5の指を使って弾き直すと正確さが上がった、という体験も書かれています。
「指の返し」より「腕でポジションを運ぶ」
左手が速く動かない人ほど、親指の返し(親指をくぐらせる動き)にこだわりがちです。しかしピアノ教室のブログ(lesson-grid)では、指の返しに固執せず、手が常にオクターヴの形を保ったまま腕全体でポジションを移動することが、左手を軽く弾くコツとして挙げられています。腕で運べば、速いアルペジオ(和音の音を1つずつ順番に弾く弾き方)も無理なくつながります。
佐々木氏も、速いパッセージでは指の第3関節(指の付け根の関節)の動きを意識し、最初はゆっくり呼吸を整えながら練習することを勧めています。両者に共通するのは、「指先で頑張る」のではなく「手の形を保って腕で運ぶ」という発想です。
リズム変奏とスタッカートで「弱い指」の粒をそろえる
リズム変奏とは、均等な16分音符を「タッカ(付点)」や「タタッ(逆付点)」のリズムに変えて練習する方法です。長い音と短い音を交互に入れ替えることで、それぞれの指が短い音を素早く弾く練習と、長い音で手の力を抜く練習を同時にできます。
ピアノ学習サービスPiaDOORの解説では、中間部からコーダにかけての左手は、スタッカート(音を短く切る奏法)とリズム練習を組み合わせることが勧められています。スタッカートで弾くと、鍵盤を押したあとに力を抜く動きが自然に身につきます。
リズム変奏は、ゆっくり弾くだけでは見えてこない「どの指で粒がそろわないか」を見つけるのにも役立ちます。毎回の練習で全体をやる必要はなく、粒がそろわない2小節だけを選んで集中的に行うと効率的です。
ペダルは控えめに、バスを優先する
革命のエチュードは響きが厚いので、ついペダルを深く踏みたくなります。しかしピティナの解説では、冒頭8小節のペダルは最小限にとどめ、16分音符が濁らないようにすることが勧められています。基本は左手のいちばん低い音(バス)が変わるタイミングでペダルを踏みかえることです。佐々木氏も「まずバスラインを確認し、できるだけニュートラルな響きを意識する」と同じ方向の助言をしています。
ペダルで音をつなげてしまうと、左手の粒の乱れが隠れてしまいます。練習の段階ではノーペダルで左手を弾き、粒がそろってからペダルを足すと、仕上がりがすっきりします。一方で本番では、lesson-gridの記事にあるように「音が濁らない範囲でペダルを使い、自分を追い詰めない」のも1つの考え方です。練習はノーペダルで厳しく、本番は響きで助ける、と使い分けましょう。
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革命のエチュードは何年目で弾ける?経験者の声とヘンレ評価で見る階段

「革命のエチュードはピアノを始めて何年目で弾けるのか」は、年数だけでは答えられません。練習量や子どもの頃の経験で、同じ年数でも弾ける曲は大きく違うからです。ただし、経験者の声を集めると「10年前後」「中学生〜高校生で弾く子が多い」というおおまかな相場は見えてきます。そのうえで、年数より確かな目安として「ショパンのエチュードの中で、どの曲を先に弾いておくとよいか」を考えてみましょう。
経験者が語る「何年目」の相場
編集部が集めた経験者の声は次のとおりです。
- somalica氏(再開組ブログ):高校2年生の最後の発表会で革命のエチュードを弾いた。一般的な目安として10年前後の練習が必要ではないか、幼少期から習っている子は中学生〜高校生で弾けるようになる人が多い印象、と書いています。本人は「かなり背伸びして選んだ曲だった」と振り返っています
- lesson-grid(ピアノ教室ブログ):幻想即興曲は町の音楽教室の発表会で時々演奏されるが、革命のエチュードは上級者向けのサークルや高いレベルの門下でしか演奏されない傾向がある。ただし音大生でなければ弾けない曲ではなく、アマチュアでも演奏可能としています
- Yahoo!知恵袋の回答:「ツェルニー40番後半程度」という目安を挙げる回答がありました
まとめると、革命のエチュードは「子どもの頃から続けている人なら中高生、大人の初心者なら10年単位で見ておく曲」です。ただし、どの声も「年数」より「左手が動くかどうか」を重視しています。年数は目安にとどめ、次のヘンレ評価の階段で自分の現在地を確認してみてください。
ヘンレ評価で見る、革命のエチュードまでの階段
ヘンレ社の難易度評価を使うと、ショパンのエチュードの中で革命のエチュードに近づく道のりが見えてきます。
| ヘンレ評価 | エチュードの例 | 革命のエチュードとの関係 |
|---|---|---|
| 6(中級) | 作品10-9(ヘ短調)、作品25-1(エオリアンハープ)、3つの新しい練習曲 第1番・第3番 | エチュードの入口。速いパッセージに慣れる |
| 7(難しい) | 作品10-3(別れの曲)、作品10-5(黒鍵)、作品25-9(蝶々) | 1曲通せていれば挑戦の目安 |
| 8(難しい) | 作品10-12(革命)、作品10-4、作品25-12(大洋) | 目標ゾーン |
| 9(難しい) | 作品10-1、作品25-6(3度)、作品25-11(木枯らし) | 革命の先にある最難関ゾーン |
出典:G. Henle Verlag「Etudes HN 124」(2026年10月時点)
なかでも作品10-9(ヘ短調)は、左手の広いアルペジオが続く曲で、革命のエチュードの左手の準備にちょうどよい1曲です。ショパンのエチュードを解説するブログ(piablog)でも、作品10-9は「速い左手だが入門的で、最初のショパンのエチュードに勧められる」とされています。一般的にはエオリアンハープから入る方が多いのですが、革命のエチュードを目標にするなら、左手が主役の作品10-9を先に弾いておくほうが近道だと編集部は考えます。
挑戦する前のセルフチェック
革命のエチュードに取りかかる前に、次の項目を確認してみてください。lesson-gridの記事が「革命への近道はオクターヴの練習」としているように、右手のオクターヴも見落とせない前提です。
- 左手だけで、速い音階を4・5の指まで粒をそろえて弾ける
- 右手のオクターヴを、手首を固めずに連続して弾ける
- ショパンのワルツやノクターンで、全音E程度の曲を最後まで弾いたことがある
- 2〜3分の速い曲を、腕が痛くならずに最後まで弾き通した経験がある
- 左手だけの地味な練習を、数週間続けることに抵抗がない
当てはまる項目が少ない場合は、ヘンレ6〜7のエチュードや、全音Eの幻想即興曲などで速いパッセージに慣れておくのがおすすめです。幻想即興曲の難易度と練習ルートは幻想即興曲の難易度と最短ルートで、ワルツやノクターンの選び方はショパン ワルツ難易度一覧・ショパン ノクターンの難易度で解説しています。
革命のエチュードと人気曲の難易度比較|幻想即興曲・別れの曲・英雄ポロネーズ

革命のエチュードの難易度を「他の有名曲と比べてどうか」で知りたい方も多いはずです。結論から言うと、幻想即興曲・別れの曲より1段階上、英雄ポロネーズ・木枯らしより下というのが公式評価と経験者の声の両方から見た位置です。ただし「難しさの種類」が曲ごとに違うので、2軸で整理してみましょう。
「左手の負担」と「右手の負担」で見る比較マトリックス
革命のエチュードは左手の負担が極端に大きく、右手の負担は中程度です。これに対して幻想即興曲は右手の速いパッセージが中心、別れの曲は中間部の右手の重音(2つ以上の音を同時に弾くこと)が難所、英雄ポロネーズは両手とも負担が大きい曲です。
| 曲 | 全音/ヘンレ | 難しさの中心 | 革命との関係 |
|---|---|---|---|
| 幻想即興曲 | E/7 | 右手の速いパッセージと4対3のリズム | 革命の1つ手前。譜読みは革命のほうが楽という声も |
| 別れの曲 | F/7 | 中間部の重音と歌わせ方 | 技術的には革命の1つ手前。表現は別の難しさ |
| 革命のエチュード | F/8 | 左手の持久力と均等さ | — |
| 英雄ポロネーズ | F/— | 両手のオクターヴ、中間部の左手オクターヴ連打、長さ(約7分) | 知恵袋・ブログとも革命より上とする声が多数 |
| 木枯らしのエチュード | F/9 | 右手の高速パッセージの持久力 | 革命の「右手版」。革命の次の目標に |
※ヘンレ評価は「Etudes HN 124」「Fantaisie-Impromptu」より。英雄ポロネーズはヘンレの楽譜で個別評価を確認できなかったため「—」としています。
somalica氏が「革命は幻想即興曲と同程度か、それより弾きやすい」と感じ、知恵袋の回答者の多くが「英雄ポロネーズより革命のほうが易しい」と答えている点は、公式評価ともおおむね一致しています。幻想即興曲が弾けたら革命に挑戦し、革命が弾けたら英雄ポロネーズや木枯らしへという順番が、無理のない階段です。
「革命のほうが譜読みは楽」という声をどう受け止めるか
lesson-gridの記事には「右手の動きが比較的少ないため、譜読みの負担は軽め」「多少粗削りでも雰囲気でごまかせる部分が多い」という指摘があります。これは本当で、革命のエチュードは右手が和音とオクターヴ中心なので、音を拾う作業だけなら幻想即興曲より早く終わる人が多いでしょう。
ただし編集部としては、ここで油断しないことを勧めます。革命のエチュードの難しさは「譜読みが終わってから」始まるからです。音が拾えた段階で両手を合わせてテンポを上げると、左手の粒の乱れが固定されてしまいます。「譜読みが楽=曲が易しい」ではないことを、取りかかる前に知っておいてください。
初心者・大人が革命のエチュードに挑むなら|ケガをしない進め方

大人になってからピアノを始めた方が革命のエチュードを目標にするなら、「最後まで弾く」より先に「痛めずに弾く」を優先してください。左手の連続した動きは、力の入れ方を間違えると手首や前腕を痛めやすいからです。
区切った目標で、少しずつ範囲を広げる
いきなり曲全体を目標にすると、練習の成果が見えにくく途中で挫折しがちです。たとえば「冒頭から右手の主題が始まる10小節目まで」「主題の1回目の終わりまで」「29小節目からのゼクエンツ」のように区切り、区切りごとに左手→両手の順で仕上げると、達成感を積み重ねながら前に進めます。chopinist.netでも、最初の練習は冒頭部分に30分〜1時間ほどかけるところから始めることが勧められています。
1日の練習メニューは「左手15分・難所10分・通し5分」から
毎日長時間弾くより、短くても毎日続けるほうが左手は確実に育ちます。大人の学習者におすすめなのは、たとえば次のような30分メニューです。
- 左手だけ15分:区切った範囲をゆっくり、ノーペダルで。リズム変奏を2小節分だけ
- 難所10分:冒頭の下降音型か29小節目からのゼクエンツのどちらか1か所
- 両手で5分:仕上がっている範囲だけを両手で通す。テンポは上げすぎない
lesson-gridの記事では「日常的に指に軽い負荷をかけ続けることで、しなやかな指が鍛えられる」とあり、革命のエチュードを練習するうちに想像以上に左手が動くようになる人もいると書かれています。毎日少しずつ、を続ける根拠になる言葉です。
疲れたら止める、が上達の近道
革命のエチュードの練習では、「疲れてきたけれど、もう1回」が一番危険です。疲れた状態で弾くと、力の入った弾き方が手に染みついてしまいます。腕や手首に重さや痛みを感じたら、その日の左手の練習は終わりにしましょう。基礎練習の続け方はピアノ基礎練習を独学で続けるコツも参考にしてください。
独学で行き詰まったら、手の使い方を見てもらう
革命のエチュードのように難所がはっきりしている曲は、「どの指で、どんな手の動きで弾くか」を目で見て確認できると上達が早くなります。特に「腕でポジションを運ぶ」「手を固めない」といった感覚は、文章だけでは掴みにくいものです。somalica氏も再開当初は独学で練習していましたが、その後は先生に師事しています。独学の限界を感じたときの目安はピアノ独学の限界はどこ?で整理しています。
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革命のエチュードの背景|ワルシャワ陥落と「革命」の名前

革命のエチュードの背景を知ると、冒頭の激しさや最後の下降音型の意味が見えてきます。ただし、よく知られた逸話の中には、後の時代に広まったものも含まれています。
ワルシャワ陥落の知らせと結びつけられた曲
ショパンが故郷ポーランドを離れたあと、1830年11月にロシアの支配に対する蜂起(十一月蜂起)が起こり、1831年にワルシャワはロシア軍によって制圧されました。革命のエチュードは、この知らせを聞いたショパンの怒りと悲しみから生まれた曲として広く知られています。
一方で、ピティナ・ピアノ曲事典では、実際には1831年以前から作曲に着手していたとみられるとも紹介されています。「ワルシャワ陥落の衝撃で一気に書いた曲」というイメージは、あくまで伝説の部分も含むと理解しておくとよいでしょう。
「革命」という名前はショパンが付けたものではない
「革命」という通称は、ショパン自身が付けた題名ではありません。ピティナ・ピアノ曲事典では、リストによるものとされています。英語圏では「Revolutionary Étude(革命のエチュード)」のほか、「ワルシャワ砲撃のエチュード」と呼ばれることもあります。
題名のイメージから、最初から最後まで怒りをぶつけるように弾きたくなるかもしれません。しかし、主和音が現れるまでの緊張、中間部の揺れ、コーダの一瞬の明るさなど、曲の中には強弱と緊張の細やかな設計があります。ピティナの解説でも、メトロノームから離れてルバート(テンポを揺らすこと)を多く使い、11小節目ではバスのCを弾いてから間を置いてGに移るとよい、と具体的に助言されています。
作品10の最後の曲として
革命のエチュードは、リストに献呈された「12の練習曲 作品10」の締めくくりの曲です。曲集の最後に左手を主役にした激しい曲が置かれていることで、作品10全体が力強く締めくくられます。ショパンの生涯や他の代表曲についてはショパンの生涯・代表曲の解説で紹介しています。
聴き比べの参考として、piablogではポリーニ、アシュケナージ、リシエツキの録音が勧められています。左手がよく見えるアングルの演奏動画を1本、手元の動きを確認する目的で見ておくと、練習のイメージが具体的になります。
革命のエチュードの難易度に関するよくある質問
革命のエチュードの難易度について、よく調べられている疑問に短く答えます。
革命のエチュードと幻想即興曲はどちらが難しい?
全音ピアノピースでは、革命のエチュードがF(上級上)、幻想即興曲がE(上級)で、ヘンレ社でも革命が8、幻想即興曲が7と、革命のエチュードのほうが上のランクです。幻想即興曲は右手の速いパッセージと4対3のリズムが中心で、革命のエチュードは左手の持久力が中心という違いがあります。譜読みは革命のほうが楽に感じる人も多いですが、仕上げの難しさは革命が上です。
革命のエチュードと別れの曲はどちらが難しい?
全音ピアノピースではどちらもFですが、ヘンレ社の評価では革命のエチュードが8、別れの曲が7で、革命のエチュードのほうが1段階上です。別れの曲は中間部の重音、革命のエチュードは曲全体の左手が難所なので、難しさの種類も異なります。
革命のエチュードと英雄ポロネーズはどちらが難しい?
全音ピアノピースではどちらもFです。Yahoo!知恵袋の回答や経験者のブログでは「英雄ポロネーズのほうが上」とする声が多く、somalica氏は革命★7に対して英雄ポロネーズ★9と評価しています。英雄ポロネーズは演奏時間が約7分と長く、両手のオクターヴと中間部の左手オクターヴ連打が加わるため、革命のエチュードが弾けてから取り組む曲と考えるとよいでしょう。
手が小さくても弾ける?
右手のオクターヴや和音が多いので、手が小さい方には負担がかかる曲です。ただし、最も大切なのは手を開いたまま固めないことです。1つの和音を弾いたら手の力を抜く習慣をつけることで、負担を減らせます。痛みを感じたら無理をせず、先生に相談しましょう。
革命のエチュードは発表会で弾ける?
革命のエチュードは演奏時間が約3分と短く、聴き手にもよく知られているため、発表会で弾く曲としても検討しやすい1曲です。ただし本番の緊張で左手に力が入ると、後半で崩れやすくなります。本番の2〜3か月前には左手だけで全体を通せる状態にしておき、残りの期間で両手のテンポを上げていく計画を立てると安心です。
速さを落として弾いても「弾けた」と言える?
知恵袋では「遅くても正確に弾ければ速く弾いても大差ない」という意見と「指定テンポで弾いて初めて上級」という意見の両方がありました。編集部の考えは、まずはゆっくりでも最後まで崩れずに通せることを1つ目のゴールにしてよいというものです。そこからテンポを上げる過程こそが、この曲が「練習曲」である理由だからです。
まとめ|革命のエチュードの難易度を知って、左手から育てよう
この記事では、革命のエチュードの難易度と、左手を鍛える練習ステップを紹介しました。
- 革命のエチュードはどのくらい難しい?:全音ピアノピースでF(上級上)、ヘンレ社で8。幻想即興曲・別れの曲より1段階上、英雄ポロネーズ・木枯らしより下。弾いた人の体感は「上級上〜中級上」まで幅があるが、指定テンポを目指すなら公式評価を基準に
- 左手が崩れるときは?:2小節ずつ区切り、手の形→リズム変奏→左手通し→両手の順で。指の返しより「手の形を保って腕で運ぶ」。ペダルは練習ではノーペダル、本番は控えめに
- 何年目で弾ける?:経験者の相場は「子どもの頃からなら中高生、大人なら10年単位」。年数よりも、ヘンレ7のエチュード(別れの曲・黒鍵など)や左手中心の作品10-9を弾けたかどうかが目安
革命のエチュードの難易度は確かに高いですが、難しさの中心が左手だと分かれば、何を練習すればいいかははっきりしています。この記事で紹介した練習ステップを参考に、まずは左手だけで冒頭の2小節から始めてみてください。
▶ こちらの記事もあわせてどうぞ:ショパン エチュード難易度ランキング【全24曲】/幻想即興曲の難易度と練習の最短ルート/ショパン バラード難易度