ノクターン第2番 Op.9-2の難易度|何年目で弾けるかと難所の練習法

ノクターン第2番 Op.9-2の難易度は、全音ピアノピースでE(上級)、PTNAピアノステップで発展1〜発展4です。ピアノ歴で言うと3〜5年目が挑戦の中心で、音を読むだけなら中級、心に届く演奏を目指すと上級の入口に立つ曲です。

発表会で誰かが弾いているのを聴いて、「いつか自分も」と思ったことはありませんか。テンポはゆったり、演奏時間は約3分半から4分。ところが楽譜を開くと、左手は大きく跳び続け、右手は主題が戻るたびに飾りが増えていきます。「遅い曲だから簡単」という期待が裏切られやすいのが、ノクターン第2番です。

  • ノクターン第2番は、ピアノ何年目で弾ける? 今の自分で届く?
  • 全音はEなのに「意外と簡単」という声があるのはなぜ?
  • 左手の跳躍、装飾音、最後の細かい音型はどう練習すればいい?

この記事では、これらの疑問に答えます。ピアノ歴の目安と6項目のチェック表、全34小節の難所マップ、難所ごとの練習法、12週間の計画まで、図を使って1曲に絞って解説します。ノクターン全曲を比べたい方はショパン ノクターン 難易度一覧、より取り組みやすい曲を探している方はノクターン遺作の難易度もご覧ください。

※本記事は一部PRを含みます

目次

ノクターン第2番の難易度は全音E|技術は中級、表現は上級

技術と表現の2軸で、ノクターン9-2が表現寄りの位置にあることを示すマトリックス図

ノクターン第2番の難易度を一言で言うと、技術は中級、表現は上級寄りです。全音ピアノピースのEは上級の区分ですが、ゆっくり通すだけならそこまでの力は要りません。ひとつの指標だけで判断せず、複数の評価を並べて見てみましょう。

評価の出どころ ノクターン第2番の評価 補足
全音ピアノピース E(上級) No.135。A〜Fの6段階
PTNAピアノステップ 発展1〜発展4 やさしい編曲版は基礎5から
ヘンレ社 6 9段階のうち4〜6が中級
PianoQuest 10段階で5〜6 ピアノ経験3〜5年が目安
chopinist 10段階で4 体感の難易度
個人の練習ブログ(42歳で再開) 10段階で5 2か月ほどで形になる水準

全音はEなのに「意外と簡単」と言われる理由

全音ピアノピースの公式の曲一覧では、ノクターン第2番はE、小犬のワルツはCです。一方、Yahoo!知恵袋の回答には、ノクターン第2番はB+〜Cくらいで、小犬のワルツのほうが難しいと感じるという声があります。同じ曲なのに、なぜここまで差が出るのでしょうか。

理由は、「最後まで弾ける」と「聴かせられる」の距離が長い曲だからです。速い曲は、指が回らなければ誰が聴いてもすぐわかります。ノクターン第2番のような遅い曲は、音さえ並べば一応弾けたことになります。しかし、ピティナ・ピアノ曲事典の演奏のヒントでも、技術より音楽面が難しい曲だと説明されています。全音のEは、後者の難しさまで含めた評価と考えると納得しやすいでしょう。同じEにはラ・カンパネラや幻想即興曲も並びますが、指の難しさが同じという意味ではありません。

ノクターン第2番の基本情報

項目 内容
正式名称 ノクターン第2番 変ホ長調 作品9-2
拍子 8分の12拍子
調 変ホ長調(♭3つ)
長さ 全34小節、約3分30秒〜4分
作曲 1830〜32年頃
献呈 マリー・プレイエル夫人(作品9全体)
構成 A→A→B→A→B→A→コーダ

ノクターン第2番がどんな曲か、まずはアルトゥール・ルービンシュタインの演奏で聴いてみましょう。ソニー・クラシカルの公式動画です。

ノクターン遺作・小犬のワルツとの比較

同じように憧れられる曲と比べると、ノクターン第2番の性格がよくわかります。難しさの種類が違うので、得意なタイプから選ぶのがおすすめです。

曲名 全音 難しさの種類 向いている人
ノクターン遺作 D 左手の分散和音、終盤の連符 先に1曲ショパンを弾きたい人
ノクターン第2番 E 左手の跳躍、装飾、歌い方 速い曲が苦手な人
小犬のワルツ C 速さと指の回転 指を動かすのが得意な人
ノクターン第1番 E 連符と左手の合わせ 第2番の次に挑戦したい人

表に出てきた3曲も、音で聴くと難しさの違いがよくわかります。ノクターン遺作はブルース・リウの演奏(ドイツ・グラモフォン公式)です。

小犬のワルツは、ショパン国際ピアノコンクール優勝者のラファウ・ブレハッチの演奏です。

ノクターン第1番は、第2番と同じルービンシュタインの演奏で比べられます。

ソラ
全音でEなら、私にはまだ無理かな…。
カイ
Eだけで諦めなくていいよ。譜読みと左手の跳躍ができれば、ゆっくり通すところまでは届く。次の章で自分の位置を確かめてみよう。

ノクターン第2番は何年目で弾ける?ピアノ歴別の目安

ピアノ歴1年目から6年目以降まで、ノクターン9-2に挑戦できる時期を段階ごとに示した図

ノクターン第2番に無理なく挑戦できるのは、ピアノ歴3〜5年目が中心です。教材で言えば、ツェルニー30番の後半やソナチネを弾いている頃にあたります。3年目でもゆっくりなら通せますが、表現まで仕上げるにはもう少し時間がかかります。

ピアノ歴 到達の目安 ノクターン第2番への挑戦
1〜2年目 ブルクミュラー、ツェルニー30番の前半 △ 原曲は挫折しやすい。編曲版なら楽しめる
3年目 ツェルニー30番の後半、ソナチネ ○ 低速で通すことを目標に挑戦できる
3〜5年目 ソナチネ修了、ソナタの入口 ◎ 2〜4か月で仕上げる最適期
6年目以降 ショパンの他の曲、ソナタ ◎ 音色と歌い方を深める段階

この年数は、ピアノクエストの解説や音楽教室の情報、学習者の記録を編集部で整理したものです。実際に、独学でピアノ歴3年3か月のときに取り組み、指使いにも表現にも苦戦したと記録しているブログもあります。3年目は「弾ける」というより「挑戦が始められる」時期と考えるのが現実的です。教材で見ると、元ピアノ講師の回答では、モーツァルトのソナタやシューベルトの即興曲を普段のレッスンで弾いていることが、発表会で取り組む目安として挙げられています。

何年目より確実な6項目チェック

ピアノ歴は、練習量や先生の有無で大きく変わります。編集部は、年数より次の6項目で判断することをおすすめします。

チェック項目 できる?
ソナチネのやさしい曲を両手で通せる □
♭3つの楽譜を止まらずに読める □
左手でオクターブ前後の跳躍を、手元を見ずに狙える □
8分の12拍子を4拍のまとまりで感じられる □
右手のトリルや細かい音を力まずに弾ける □
ペダルを和音ごとに踏み替えられる □

4つ以上チェックが入れば、今が挑戦の時期です。2つ以下なら、先に別の曲で力をつけるほうが結果的に近道になります。なかでも重要なのは左手の跳躍です。ここに不安がある場合は、次の章の「先に移動して待つ」練習だけ、今日から始めてみてください。

チェックが足りないときに先に弾く曲

読譜に不安があるならソナチネのやさしい曲で力をつけましょう。ショパンらしい歌い方に慣れたいなら、ノクターン遺作やワルツ第19番 イ短調を挟むのがおすすめです。ショパンの入口全体はショパンの簡単な曲ランキングにまとめています。どうしても今弾きたい場合は、ピアノステップにも掲載されている編曲版から入る方法もあります。

子どもと大人の再開組の場合

子どもの場合、オクターブに手が届けば小学校高学年ごろから取り組めるという意見があり、中学生の発表会やコンクールでも選ばれています。問題になるのは指よりも手の大きさと、左手の跳躍です。

子どもの頃にソナチネ以上まで進んでいた大人の再開組は、手の感覚が残っていることが多く、数か月で通せることもあります。譜読みの力が落ちている分、片手ずつ丁寧に読み直しましょう。

【一次情報を追加:執筆者がノクターン第2番に取り組んだときのピアノ歴と、仕上げまでの期間を1〜3文】

挑戦してから仕上がるまでの期間

適期の人でも、仕上がりまでの目安は2〜4か月です。音を並べるだけなら1〜2か月で届くこともありますが、残りの時間が歌い方や左右のバランスに必要になります。短く感じたら、曲が簡単なのではなく、まだ聴き返す耳が育っていないのかもしれません。録音して確かめると、次の課題が見つかります。ピアノ趣味歴20年のブログ筆者でも、最後まで納得して弾き切るのは難しいと書いています。ノクターン第2番は、弾けるようになった後も磨き続けられる曲です。

ノクターン第2番の難所マップと練習法

ノクターン9-2のA・B・コーダの構成を小節番号つきで並べ、左手・右手・終盤の難所をまとめた図

ノクターン第2番の難所は、全体に散らばっているわけではありません。全34小節のうち左手はほぼ同じ形で続き、4小節ごとにA・Bが入れ替わります。つまり、左手、弱音の出だし、増える装飾、ルバート、終盤の反復音型の5つを押さえれば、曲の大半に対応できます。

小節 部分 主な難所 練習の焦点
1〜4 A 左手の跳躍、弱音の出だし 左手だけを暗譜
5〜8 A 装飾が増える 骨格の旋律と比較
9〜12 B 和声の揺れ 和音の色を聴く
13〜16 A さらに細かい装飾 拍の位置を固定
17〜24 B→A 同じ形の暗譜ミス 前回との違いを書き込む
25〜34 コーダ 強弱の幅、反復音型 最後から先に部分練習

難所1:左手の跳躍は「先に移動して待つ」

ノクターン9-2の左手で、低音を弾いたあと和音の上へ先回りして待つ3段階を鍵盤の図で示したイラスト

ノクターン第2番の左手は、低音のあとに高い和音へ跳ぶ動きが全曲で続きます。音を外す原因の多くは、手の動き出しが遅いことです。次の順で、とてもゆっくり練習しましょう。

  1. 低音を弾いたら、すぐ次の和音の上まで手を動かす
  2. 和音の形を作り、音を出さずに待つ
  3. 拍が来たら、鍵盤の近くから静かに弾く

この練習で跳躍が安定したら、次は音量です。左手が大きくなると旋律が隠れます。ピアノ曲事典の演奏のヒントでも、低音より内側の音を抑えることが勧められています。低音は深く、和音は軽く。3つの音に同じ力を入れないことが、きれいに聴こえる近道です。

指番号も早めに決めましょう。左手の和音は毎回よく似た形なので、指使いが定まらないと暗譜でも迷います。一度決めたら楽譜に書き込むことをおすすめします。ピアノクエストの解説では、左手だけの練習を♩=40〜60のゆっくりしたテンポから始め、1〜2週間かける手順が紹介されています。焦って両手にせず、左手が考えなくても動く状態を先に作りましょう。

難所2:冒頭の弱い音は「準備」で決まる

ノクターン第2番の冒頭は、最初の音から次の音へ跳び、しかも弱い音で始まります。ここを柔らかく弾くコツは2つです。

  • ペダルを先に踏んでおく:弾く瞬間に踏むと体が動き、音が強く出やすくなります
  • 指を鍵盤の近くに置いてから入る:上から落とすと勢いがついてしまいます

跳ぶ音は、遠くのものへそっと手を伸ばすように、ほんの少し間を取って入るとショパンらしく聴こえます。楽譜と違うペダルの踏み方になることもありますが、狙いは音の出だしを整えることです。

難所3:増えていく装飾音は「骨格」から足す

ノクターン第2番の装飾は、主題が戻るたびに形を変えます。ピアノ曲事典によると、これは当時のオペラ・アリアの歌い方に由来する書き方です。同じ旋律を2回目に歌うとき、歌手が少し飾りをつける場面を想像するとわかりやすいでしょう。

  1. 装飾を抜いた骨格の旋律だけを、声に出して歌う
  2. 骨格を弾きながら、飾りを1つずつ足す
  3. 飾りの音数が多い小節は、拍の頭で合う音だけ先に決める
  4. トリルの回数を決めて、楽譜に書き込む

装飾でよくある失敗は、テンポに無理やり押し込んで音が固まることです。音が多いところほど、語りかけるようにたっぷり時間を使うと、かえって自然に聴こえます。左手と音の数が合わない箇所を計算で合わせようとすると音楽が止まるので、合流する音だけ決めて、間はゆっくり数回弾いて手に覚えさせましょう。

難所4:ルバートは「時間の貸し借り」

ルバートでは音が多い所で遅くし、音が少ない所で進んで全体の時間を保つことを示した曲線の図

ルバートとは、テンポを自然に揺らす表現です。イタリア語で「盗まれた」という意味があります。揺らすと聞くと遅くするほうばかり意識しがちですが、遅くした分をどこかで返すことが大切です。

音の多いところでは歌うように時間を使い、音の少ないところでは少し前へ進みます。合わせてプラスマイナスゼロになると考えると、演奏が間延びしません。練習は次の順で進めましょう。

  1. 左手と右手を一定のテンポで弾けるようにする
  2. 旋律の頂点に向かって、わずかに時間をかける
  3. 使った時間を次のフレーズで取り戻す
  4. 録音を聴いて、左手の流れが崩れていないか確かめる

編集部としては、装飾を完璧に並べるより、呼吸が感じられる演奏のほうが心に残ると考えています。ただし、揺らしすぎると船酔いのような演奏になるので、初めは控えめで十分です。

もう1つ、効果の大きいポイントがあります。高い音へ跳ぶ場所で、跳んだ先を強く弾くと豪華な響きになります。楽譜にドルチッシモ(とても甘く柔らかく)とある場所では、むしろ高い音に向かって弱くしてみてください。それだけで上品な印象に変わります。

難所5:終盤の反復音型は「ゆっくり入って流す」

ノクターン9-2の終盤の反復音型を、ゆっくり入って徐々に速くする練習の流れと手首の注意点で示した図

ノクターン第2番で最も質問が多いのが、終盤の細かい反復音型です。あるレッスン動画では12回の反復として解説されています。全員が同じ指使いで弾くわけではないので、回数と形はお手元の版で確認してください。楽譜の終わり近くにはsenza tempo(テンポに縛られず)の指示があります。

同じ速さで12回弾くと、数えているだけに聴こえます。初めはゆっくり入り、徐々に流すと美しいうえに、速い部分が短くなるので手も楽です。まさに一石二鳥の弾き方です。

  • 手首を下げすぎず、手の位置を少し高くする
  • 指先の小さな動きだけで鍵盤を押す
  • 3回ずつに区切って練習し、回数を間違えないようにする
  • 終わりの和声が変わる場所は、少し音を保って色の変化を味わう

コーダ全体は、ピアニッシモからフォルテッシモまで強弱の幅が広く、poco rubato(少し自由に)の指示もある聴かせどころです。楽譜のrallentandoやritardandoも、同じ「だんだん遅く」で片づけず、自然に減速するのか、意志を持って遅くするのかを考えて弾くと表情が変わります。

ソラ
最後の細かいところ、指が追いつかなくて怖いんだよね…。
カイ
最初から速く弾こうとしなくて大丈夫。ゆっくり入って、弾ける範囲で流せば十分きれいに聴こえるよ。

ノクターン第2番の練習ステップ|12週間プラン

左手の暗譜から仕上げまで、ノクターン9-2の練習を12週間に割り振った工程表

ノクターン第2番の練習は、左手の暗譜から始めて、4小節ずつ両手にするのがおすすめです。有名な曲なので右手の旋律は頭に入っていることが多く、先に左手を固めると、後で歌う余裕が生まれます。ソナチネ程度の力がある人を想定した、1日20〜30分の計画です。

週 平日の練習 週末の確認
1週 全曲を聴き、左手1〜4小節 構成を楽譜で確認
2週 左手5〜12小節 左手だけで12小節
3週 左手13〜24小節 左手を暗譜で通す
4週 右手の骨格の旋律 歌いながら弾く
5週 両手で1〜8小節 とてもゆっくり通す
6週 両手で9〜16小節 前半を通す
7週 両手で17〜24小節 中間まで通す
8週 コーダを取り出す 後半を通す
9週 装飾を足す トリルの回数を確認
10週 ペダルを整える 全曲を通す
11週 ルバートを加える 録音を聴く
12週 人に聴いてもらう 次の課題を決める

遅れても問題ありません。1週分を2週かけても、音楽は確実に育ちます。

【一次情報を追加:執筆者の練習記録、または生徒の進み方の実例を1〜3文】

8分の12拍子は4拍で感じる

8分の12拍子を8分音符3つずつ4つのまとまりに分け、左手の低音と和音の位置を示した図

8分の12拍子は、8分音符3つのまとまりが4つ並ぶ拍子です。数えるときは「1と2、2と2、3と2、4と2」のように、4拍子で感じましょう。12まで数えると音楽が細切れになり、ゆったりした流れが失われます。

テンポは、録音を聴いて好みの速さを見つけ、最初はその半分ほどで練習します。最終的な目安は、右手の旋律を歌って息が続く速さです。

1日4小節ずつ、左手から両手へ

曲の構成上、4小節ごとに区切って覚えるのが効率的です。左手を弾きながら、右手の旋律を頭の中で鳴らすか、声に出して歌ってみてください。それができてから両手にすると、驚くほど合わせやすくなります。

主題の反復は同じように見えて少しずつ違います。前回との違いに色ペンで印をつけましょう。また、冒頭ばかり練習すると後半が弱くなるので、コーダから始めて少しずつ前へ戻る「後ろから練習」も効果的です。

ペダルは踏むより離すタイミング

ペダルは和音が変わるところで踏み替えるのが基本です。右手の細かい音を濁らせないよう、深く踏みすぎず、自分の音を聴いて調整します。まずペダルなしで旋律をつなぐ練習をしておくと、ペダルに頼らない演奏になります。

独学で伸び悩んだら

左手の跳躍やルバートは、録音で確かめても判断が難しい部分です。止まらず通せるようになった段階で、一度先生に聴いてもらうと改善点が一気に見えます。

▶ノクターン第2番のような憧れの曲を仕上げるならマナビーノ

▶ルバートと装飾をオンラインで見てもらう(オトノミチシルベ)

ノクターン第2番の楽譜の選び方

ノクターン第2番の楽譜は、最初の1冊なら全音ピアノピース135番で十分です。ただし、版によって装飾の形が違うことがあります。ショパンは演奏のたびに装飾を変え、弟子の楽譜への書き込みなど複数の異なる形が残っているためです。版が違えば音が違っても、どちらかが間違いとは限りません。

楽譜 特徴 向いている人
全音ピアノピース135 手頃で入手しやすい 最初の1冊
エキエル版(ナショナル・エディション) 原典を重視。ノクターン集で入手 版の違いまで学びたい人
パデレフスキ版 長く使われてきた校訂版 伝統的な解釈を参考にしたい人
ヘンレ版 原典版。第2番の単品もあり 運指の提案も見たい人
IMSLPの古い版 無料で見比べられる 購入前に確認したい人

ノクターン第2番の聴き比べ|空間の作り方に注目

ノクターン第2番の録音を聴くときは、旋律だけでなく左手が作る空間にも耳を向けてみてください。音楽レビューのnoteでは、クン=ウー・パイクやルービンシュタインの演奏について、穏やかでゆったりした空間を保つことがこの曲の核心だと分析されています。

このように聴くと、自分の練習でも「右手をきれいに」だけでなく、「左手の揺れの上で歌う」意識に変わります。自然なルバートならルービンシュタイン、バランスの基準ならアシュケナージ、音色の細やかさならツィメルマンを聴き比べるのがおすすめです。同じ楽譜でも、2人聴くだけでかなり印象が変わります。

上で紹介したルービンシュタインの演奏と、次の2本を聴き比べてみましょう。1本目はアシュケナージの録音、2本目は辻井伸行さんの公式チャンネルの演奏です。

ノクターン第2番でよくある失敗と直し方

ノクターン第2番で起こりやすい失敗は、原因がはっきりしています。当てはまるものから直してみましょう。

よくある失敗 原因 直し方
左手が大きすぎる 跳躍で力が入る 内側の音を抑える
旋律がぶつ切れになる ペダルに頼っている ペダルなしで旋律をつなぐ
装飾で止まる 音を詰め込みすぎ 骨格の旋律に戻る
難所で遅くなる 部分練習の不足 難しい部分の速さを基準にする
コーダで崩れる 後半の練習不足 コーダから先に練習する
音を読み違える ♭3つと臨時記号の見落とし 片手ずつ読み直し、間違えやすい音に印をつける
暗譜が飛ぶ 反復の違いがあいまい 違いを書き出して覚える

暗譜が飛ぶ失敗は特に多く、緊張すると「流れ」で覚えた部分から崩れます。ゆったりした曲ほど、次の音を考える余裕が裏目に出るのです。発表会で弾くなら、4小節ごとに途中から弾き始められるようにしておくと安心です。

ノクターン第2番のよくある質問

ノクターン第2番について、特に聞かれやすい疑問に答えます。知恵袋などの回答は個人の感じ方なので、複数の声と指標を並べたうえで編集部の見解をまとめました。

初心者でもノクターン第2番は弾ける?

始めたばかりの初心者が、いきなり原曲を弾くのは難しいです。基礎が固まっていれば2〜3年目から挑戦する人もいますが、無理なく取り組めるのは3年目以降です。それより前なら、やさしい編曲版で旋律に親しみ、原曲を目標にする方法をおすすめします。

どのくらいの期間で弾ける?

3〜5年目の適期にある人で、2〜4か月が目安です。音を並べるところまでは1〜2か月、残りの時間が歌い方や左右のバランスを整える期間になります。人に聴かせる水準を目指すなら、さらに時間をかけて構いません。

手が小さくても弾ける?1オクターブが届きにくい場合は?

弾けます。ノクターン第2番の左手は、低音と和音を順に弾くため、大きく広げて押さえ続けるより、素早く移動する力が大切です。無理に指を広げず、痛みが出たら休みましょう。届きにくい音がある場合は、自己判断で音を変えず、先生に相談すると安心です。

ノクターン第2番は何歳くらいで弾く曲?

子どもの場合は、順調に進んでいれば中学生くらい、早い人で小学校高学年という声があります。ただし、これは表現まで完成する年齢ではありません。大人に年齢の上限はなく、読譜と左手の跳躍ができるかどうかで判断しましょう。

小犬のワルツとどちらが難しい?

全音の区分ではノクターン第2番がE、小犬のワルツがCで、ノクターンのほうが上です。ただし、知恵袋には小犬のワルツのほうが難しいという回答もあり、体感は割れています。小犬のワルツは速さと3拍子の軽さ、ノクターン第2番は左手と歌い方が課題なので、指が回る人は小犬のワルツ、ゆっくり歌うのが好きな人はノクターン第2番が向いています。

トルコ行進曲とどちらが難しい?

難しさの種類が違うため、単純には比べられません。知恵袋でも、トルコ行進曲をきちんと弾く難しさを指摘する声と、ノクターン第2番の左手の難しさを指摘する声の両方があります。粒のそろった速い指が課題ならトルコ行進曲、音の少ない中で雰囲気を保つことが課題ならノクターン第2番です。

ラ・カンパネラや幻想即興曲と同じEって本当?

全音ピアノピースでは、どれもEの区分です。ただし、難しさの中身はまったく違います。ラ・カンパネラは超絶技巧そのものが壁になりますが、ノクターン第2番は音を並べるだけならそこまで求められません。幻想即興曲についても、元ピアノ講師の回答では1ランクほど上と見られています。Eは同じ難しさを示す印ではなく、幅の広い区分と考えましょう。

月の光とどちらが難しい?

指標によって答えが変わります。全音は月の光がC、ノクターン第2番がEで、ヘンレ社は月の光が5、ノクターン第2番が6です。一方、知恵袋で紹介されていた難易度分類では、ノクターン第2番がレベル16、月の光がレベル19でした。月の光は♭5つの楽譜を読み、弱い音の中で音色を作り分ける必要があるので、ノクターン第2番を通せるようになってからの次の挑戦に向いています。

発表会で弾いても大丈夫?

発表会に向いた曲です。フィギュアスケートの浅田真央さんの演技でも知られる有名曲で、元ピアノ講師の回答でも、小犬のワルツより上手に聞こえる曲とされています。その反面、静かな曲なので、1音の読み違いが目立ちます。本番の2か月前には全曲を通せる状態にして、4小節ごとに途中から弾き始める練習もしておきましょう。

電子ピアノでも練習できる?

練習できます。ピアノ趣味歴20年のブログ筆者も、電子ピアノでショパンを楽しんでいます。88鍵で鍵盤に重みがあり、ペダルを踏み替えられる機種なら、譜読みや左手の跳躍の練習には十分です。ただし、弱い音の出だしやペダルの響きは楽器で変わるので、発表会の前には本番に近いピアノで確かめましょう。

ルバートはどのくらい揺らしていい?

左手の流れが崩れない範囲にとどめましょう。最初は一定のテンポで弾けるようにしてから、旋律の頂点でわずかに時間を使います。迷ったら控えめで十分です。複数のピアニストを聴き比べると、自分に合う揺らし方が見つかります。

第1番や第8番とどちらが難しい?

第1番は連符の処理、第8番は左手と重音が難しい曲で、どちらも第2番より難しいと感じる人が多い曲です。詳しくはノクターン第1番の難易度とノクターン第8番の難易度をご覧ください。

ノクターン第2番の次に弾くならどの曲?

次の曲は、伸ばしたい力で選ぶのがおすすめです。知恵袋で挙がった候補を、編集部が目的別に整理しました。感じ方には個人差があるので、楽譜を見てから決めましょう。

次の狙い 候補曲 向いている人
同じくらいのショパン ワルツ Op.34-2、ワルツ Op.69-1、ノクターン遺作、雨だれ ショパンの歌い方を深めたい人
同じくらいの別の作曲家 乙女の祈り、ユモレスク、ジムノペディ第1番 レパートリーの幅を広げたい人
少し背伸びする 華麗なる大円舞曲、ノクターン第1番、シューベルトの即興曲 Op.90、コンソレーション第3番 技術の幅を増やしたい人
音色を磨く 月の光、アラベスク第1番 弱い音の表現を深めたい人

まとめ|ノクターン第2番は3〜5年目に挑戦し、左手から始める

最初の疑問に答えます。

  • 何年目で弾ける? 挑戦の中心は3〜5年目です。3年目なら低速で、適期なら2〜4か月で仕上がります。
  • 全音Eなのに簡単と言われる理由は? 最後まで弾くことと、聴かせることの距離が長いからです。
  • 難所の練習法は? 左手は先に移動して待つ、装飾は骨格から足す、ルバートは時間を貸し借りする、終盤はゆっくり入って流す、の4つが基本です。

ノクターン第2番の難易度は、数字だけ見ると高く感じます。それでも、短い曲の中に左手の技術と歌心を学べる要素が詰まった、挑戦する価値の大きな1曲です。まずは今日、左手の4小節だけを、手元を見ずに弾いてみてください。次の1曲を探す方は、ショパン ノクターン 難易度一覧もあわせてどうぞ。